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なぜ、あのプロジェクトは目標金額を達成したのか…5つのポイントで解説してみた

先日、サポートさせていただいたプロジェクトが無事に目標金額を達成してフィニッシュいたしました。

おかげさまです。ありがとうございます。

ということで今回は、なぜこのプロジェクトが成功に至ったのかを実際のページを見ながら分析していきたいと思います。

ポイントは5つ。

・社会貢献度が高い内容だった
・目標をわかりやすくした
・プレスリリースを上手に利用した
・イベントを開催した
・汎用性の高いリターンを用意した

ということで以上5つのポイントに沿って、ひとつずつ解説させていただきます!

・社会貢献度が高い内容だった

このプロジェクトは日々の食事に困っているひとり親家庭にお米を届けたい!という、著しく社会貢献度が高い内容でした。

いつもお伝えしている通りですが、クラウドファンディングとは「社会にインパクトを与えられる量」が、そのまま支援として跳ね返ってきます。

インパクトとは「価値」と言い換えてもいいでしょう。

コロナ禍も助長して貧富の差が広がり、特にひとり親家庭で貧困率が上がっている状況というのは社会問題としての共通認識としてあるところです。

この「共通認識」というのが大事で、誰もが問題だと思っているということは、それを「解決したい!」と思っている人もたくさんいるということですよね。

解決したいと思っている人が多ければ、必然的に支援予備者軍の母数が増えますので、それだけ支援が集まりやすいプロジェクトになります。

貧富の差はないことに越したことはありませんよね。

逆に言うとそういったテーマに目を向けることさえできれば、高い確率で成功するプロジェクトを立ち上げることができるというわけ。

プロジェクトを立ち上げる際には、より社会に「良い」インパクトを与えられるテーマを探すようにしてみてください。

・目標をわかりやすくした

これもとっても重要です。

最初、私にお話がきたときに、オーナーさんに目標金額を聞くと「目標金額100万円」ということでした。

もちろん100万円で問題ないのですが、ここで一工夫。

100円の支援でご飯1杯の支援が届けられる、100万円の支援で「10,000杯のご飯」が届けられる、というような建て付けにしようとアドバイスさせていただきました。

ここにどういう意図があるか説明します。

結論から言うと「支援者が支援のイメージをしやすくなる」ということですね。

・1,000円支援すると10杯
・10,000円支援すると100杯
・100,000円支援すると1,000杯

目標数値をお金ではなく「支援されるお米の量に変換」することで、おいしそうに炊きたてのご飯を食べているこどもたちの顔をイメージしてもらいやすくなると考えました。

支援者に支援金がどのように使われるかイメージしてもらうことは、とても需要なことです。

そのために目標を金額以外の数値に変換するというのは、他のプロジェクトでも転用できると思いますので、ぜひやってみてください。

・プレスリリースを上手く利用した

これはプロジェクトページの「活動報告」を参考にしていただければと思います。

今回のオーナーさんは地元のTV局や新聞社などのメディアに取り上げてもらっていました。

このあたりの人脈というか繋がりもクラウドファンディングの成功には欠かせない要素です。

クラウドファンディングであれば何でも取り上げてもらえると思ったら大間違いで、社会貢献度が高ければ高いほど、取り上げてもらいやすくなりますね。

「世界一周旅行に行きたい!」というよりも、今回のような社会貢献度が高いものの方がメディアからも視聴者からも情報として好まれますよね。

メディアに取り上げてもらうまでの流れですが、まずは企画書を用意する必要があります。

プロジェクトページの内容をコピペでいいので、熱い想いをわかりやすく簡潔にまとめて、各社にメールやFAXで送ってみてください。

メディアも日々情報発信するネタを探していますから、よっぽど変なプロジェクトでなければ高確率で返事があるはずです。

返事がきたら丁寧に対応して取材をしてもらいましょう。

TVや新聞などのオールドメディアは死んだ……なんてことを言う人もいますが、まだまだ情報発信力は強いです(特に地方では)。

こちらは情報発信してもらって嬉しい、メディアはネタが見つかって嬉しい……というWINWINの関係になるように上手いこと活用しましょう。

イベントを開催した

こちらも活動報告で確認していただきたいのですが、クラウドファンディングの期間中に2回もイベントを行っていました。

イベントを開催するメリットですが、まずは参加者に「クラウドファンディングに挑戦しています」と訴求できます。

また、このように活動報告やSNS投稿のネタにもなりますよね。

クラウドファンディング期間中に大切なことは、とにかく「動き」をつくり見せることです。

クラファンサイトにプロジェクトが掲載されたら自動的に支援が集まると思っている人もいますけど、そんなことはありません。

とにかく動いて目立ってアピールする必要があります。

質よりは量で、どんどん動いていきましょう(もちろん質もあればより◎)。

・汎用性の高いリターンを用意した

汎用(はんよう)性とは、ある物事について、幅広く適用したり、一般的に活用できる性質を意味し、「汎用」とはさまざまな用途や分野に用いることができるさまを意味します。

いろんなクラウドファンディングを見ていますが、汎用性が高いリターンが用意されているプロジェクトは成功しやすい傾向にあります。

とにかくお米のリターンは強い。

私が住んでいる新潟県南魚沼市は全国的にみても有数の米どころで、ふるさと納税の返礼品の80%以上はお米という話を聞いたことがあります。

「米離れ」なんて言葉もたまに聞きますが、とはいえお米は食べますよね。

で、お米好きですよね??「炊きたての新米」ってもう、その言葉だけでご飯食べられるじゃないですか??笑

しかも今回のプロジェクトはお米農家さんが直接届けてくれるわけですから、それだけで価値があります。

お米だったらいつか必ず食べるだろうし、保存も効くし、知り合いにプレゼントもできるし……非常に汎用性が高く最強のリターン商品です。

プロジェクトの内容によってはなかなか難しいとは思いますが「汎用性が高い商品を入れると成功しやすくなる」ということだけ、頭に入れておいてください。

なぜ、あのプロジェクトは目標金額を達成したのか…5つのポイントで解説してみた まとめ

以上5つのポイントでまとめてみました。

1つめは社会貢献度ですが、これが一番のポイントですよね。社会貢献というとハードルが高く聞こえてしまいますが、「社会にどれだけの価値・インパクトを与えられるか」を考えてみてください。どうやったらよりたくさんの人に、より深い価値を提供できるかを、一生懸命考えましょう。

2つめの「目標設定を金額ではなく他の数値に置き換える」をいうのも、わかりやすくてすぐに応用できるところなので、ぜひご自分のプロジェクトにあてはめてみてください。

3つめのプレスリリースですが、こちらはとにかく下手な鉄砲数撃ちゃ当たる……じゃないですが、体当たりで交渉してみてください。上手くすればクラウドファンディングとは関係ないところでも取り上げてもらえるかもしれません。そういうパイプを作っておくのも無駄じゃないです。

4つ目はイベントでしたね。クラウドファンディングというシステムは、なんだかんだオンライン上でのやりとりに過ぎません。同時にオフラインでも動いていく必要があります。オンラインでの発信とオフラインの発信を上手にかけあわせることで相乗効果が得られます。

最後はリターンですね。今回はお米を例に出しましたけど、まだまだいろいろあると思います。汎用性の高いリターンを選ぶことで、より広い層に訴求ができます。支援者の幅が広がることで支援者予備軍の母数が増えます。イコール成功への確立が上がります。

まとめると「支援者の目線に立ったプロジェクトを構築」していくことが非常に重要です。

プロジェクトオーナーとしては自分の夢や野望を伝えたくなってしまいますが、クラウドファンディングでは常に真ん中にいるのは支援者であるということを忘れないでください。


新潟県でカメラマンとして活動しています。特に飲食店などのメニュー撮影、ブツ撮りに定評あり。ポートフォリオ→https://jinbo-lab.jp/。一般社団法人 愛南魚沼みらい塾理事。1980年生まれ。