とある何でもない火曜日
ホワイトグレーの厚い雲がかかっていたある火曜日。授業の後は、メディア論のグループプロジェクトのミーティングだった。
協力企業の人とスカイプミーティングのはずだったが、相手方の理由でキャンセルに。急に午後の予定がなくなった。
一旦家に昼食をとりに帰る。
最近はまっている料理は、白身魚と白菜の炒め物。冬といえば白菜でしょ!とスーパーで白菜を見つけて嬉しくなり購入。レシピをみるのが面倒。油が切れていたけれど買いに行くのも面倒。ということで自己流の創作料理が始まる。(いつもこれで失敗するが)
白菜をザクザクときってフライパンにいれる、白身魚もほぐしていれる。
油の代わりにお水を大さじ2くらい入れると炒めているのに蒸し料理風になってすき、よくやる。あ、あと最近はまっているのがトマトスープ。
粉をお湯の中にいれるだけの。ドイツのモッツァレラチーズは日本で300円くらいする大きさのものでも80円。モッツァレラチーズを工程の最後にお鍋に落とすと本当に本当に美味しいの。お米を炊いてこのスープをかけると"お家スープストックin Germany"を楽しめます。
かれこれ三年以上も一人暮らしをしていると、オリジナルの料理法が確立されていくんだけれどみんなは一体何を作っているの?食べているの?きになる!笑
お昼ご飯を食べてからカフェに行くことにした。
いつもはUバーン("U"はunder groudの"U"なんだけれどしばしば地上を走る奇妙な乗り物)で学校に行くから地下の薄暗いトンネルの壁か、商業的な建物が並ぶ通りばかりが車窓からの景色。ちょっぴり無機質な気分になるな〜なんてね。
私がこのカフェが好きな理由の一つが"行くまでの道のりが可愛い"。
私のアパートから3分ほどの142番のバス停からバスに揺られる。並木道を抜けて綺麗な公園、墓地、大学を通過する。
私好みの風景。将来住むならこんなところがいいな〜ちょっと俗世から離れている様に感じられる緑と公園と綺麗な道があり、人々の穏やかさが漂う場所。
先週あろうことか、イヤフォンがこわれてしまった。(大ショック)
あ〜きっと神様が"もっと用心深くドイツの音に耳を澄ませなさい"といっているのかな。なんていささかポジティブな解釈をして、音楽の世界に閉じこもらずバスの中でも人間観察をする。ケルン大学が近いこともあって学生が多い。日本よりもスマホを凝視する人が少ない、車窓をぼーっと眺めている人が多い。
このカフェでぬくぬくした気分で興味のあることを調べたり、小説を読んだりすることが本当に好きで。
なんとなく私の日本のアパートと雰囲気がにているのと、一人で本を読んだり書物をしていたりする知的なセンスを感じる人が多いことがお気に入りポイント。日が落ちると店員さんがキャンドルに火を灯してテーブルにもって来てくれる。なんて素敵なのだろうか。
この間フランジーと遊んだときに飲んであまりの美味しさに惚れ込んだホットチョコレートをオーダー。んー。この間飲んだものの方が美味しいな。
こんなカフェが近所にあるって贅沢だなあ。表参道と乃木坂にある秘密にしておきたい特別な時にだけいく純喫茶の事を思い出した。
店員さんがいかしてる。
ヴァイオレット・パープルのターバンにタイトなデニムのタンクトップにスキニーがクールなお姉さんと、スキンヘッドにシルエットが綺麗な黒のスウェットをきた男性..。
心地いい場所でぼーっとしていると妄想が始まる。
いつか私がやりたい事を組織として実現出来る時がきたら私のオフィスは、魔女の隠れ家のような、おうちにしたいなあ。小さなおうちに可愛い家具を並べて従業員のみんなは毎日そのお家の中の好きな場所で仕事をしていいの。窓辺の机、ふかふかのアンティークのソファ、外のテーブル。
お茶の時間になったら私がお茶にお菓子を添えて従業員に出すの。
夜は18時頃に仕事を終えて、メインの照明を落とし、間接照明だけにして
コーヒーを入れて、読書の時間に。残りたい人はゆっくりと読書したり、書物したり。気の赴くままに。温もりが詰まった可愛いオフィスを持つ事が夢であり、目標。
そんな私の妄想はさておき。
ドイツに来てからも沢山の本を読んでいるけれど(多い時週に5冊ほど)毎日の授業で習うことや、クラスメートからの刺激。
ビジネス、経済、経営はもちろん心理学、音楽史、哲学、美術史などにも強烈な興味を示している自分がいる。
日本にいる時も自分の中に流れる興味・好奇心の川はそこそこの勢いがあると思っていたけれどドイツにきてからは水圧を増した。ドドーっと。
日本で決めてきた目標に集中して!っと自分を叱りたくなったり、気が散っているのかと情けなくなったりもしたけれど近視眼的になりすぎず今の環境を味わい尽くすために時間が許す限り、"自分の中に芽生えた新たな興味の種に水をあげましょう。"とここ最近は思い始めた。
こんなに興味をもっている自分の勢いをそーっと、母親の眼差しで見守ることにした。
そろそろ帰ろうか。
レジではなくて、使い込まれた程よいツヤのお財布で勘定してくれる。"ダンケ チュールズ!"と言われて店を後にする。なんとも心温まる。
あ〜私は、アナログでセンスを感じるものが好きなのね。
Minami
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