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ポルトガルへ行った話。(4)幸せのコスタノバ

2018/12/10 18:07

三日目の朝は、ホステルの朝食オプションをつけていなかったのでカフェで朝食をとることにした。

雪だるまと雪の結晶の模様の可愛いコーヒーカップ。サクッと食べて出るはずだったかが、おしゃべりに夢中になっていたら2時間がたってしまった。

そろそろ、行こうか。この日はリゾートエリア・コスタノバへ行く事にした。(前日の夜に決めた)それと、昨日のゴンドラのリベンジ。(昨日も十分すぎるくらい素敵だったけれどせっかくだったら晴れてる景色もゴンドラから眺めたいな、と思ったので)


コスタノバへ行く為には、初日の夜に行ったサンベント駅から列車に乗らねばならない。

時間もそこまであるわけではなかったから駅に直ぐに向かわなくてはならなかったが、あまりにもいいお天気だったので駅に向かう前に、ふらふらとポルトの街を散策しようということになった。お天気によって街の表情は全く違うな〜。

あ、いけないいけない。道草くっちゃった。サンベント駅に向かい列車に乗った。

列車の中で、周りの人を眺めていた。ポルトガル人のみなさまの、表情をつぶさに観察していた。車窓を眺めたり、そして少し眠ったりもした。

コスタノバの最寄りの駅についた。駅からコスタのバまでは距離があるのでバスに乗らなくてはならなかった。

だけれどバスの案内所で、次のバスは1時間後だと告げられた。お客は私たちしかいなかった。待つのは全然いいんだけれど、それじゃあ夜のゴンドラに間に合わない!案内所のおばさまたちは、英語がはなせなかった。頑張ってコミュニケーションをとり、タクシーを呼んでもらう事に成功した。


着いた。興奮した。
きゃー!素敵!最高!クール!という、興奮状態ではない。

静かに、穏やかに、平和に興奮した。
心の中の絡まったり、ねじれたり、もつれたりする糸が柔らかく、温まって、ほどけていく気分。

観光客らしき人は全くいなかった。おそらく私たちだけだった。時間の流れが、今まで訪れたどんな場所よりもゆっくりと、そして幸せに感じられた。
しばらく、コスタノバという平和な空気の中に浸った。もう、14時だった。さすがに空腹に耐え切れなくなったので。遅めのランチを取りにレストランへ入った。

このレストランで私たちは女神様にに出会った。
席に腰を下ろしてすぐにメニューを持ってきてくれたウェイトレスの女性。

所作が滑らかで、眼差しに温かさと優しさがあって。女性の柔らかとしなやかさ全身にまとっている、そんあ風に感じられる人だった。私たちは二人で顔を見合わせ"あ、きっと女神にちがいない。"といった。一生忘れないだろうな。

私はサーモンの野菜添え。彼*は"シークレット・オブ・ブラッグピッグ"を頼んだ。え、黒豚の秘密って何ですか。笑結果、私たちが知った黒豚の秘密は、ただ美味しいということだけだった。食べ終えて会計を済ませた後に、女神は小さなレモン味の飴玉をくれた。顔がほころんでしまう、いい時間だったな。

*前日にポートワインを飲みながら、私たちは恋人になったんだ。

列車でポルトは戻る。帰りの列車の中で、夕日がみれた。
そして、ポルトについてからも淡いピンクと紫の夕日を見ることができた。

無事、ゴンドラの営業終了時間にも間に合いキラキラと魔法の様にきらめくポルトの街の空中を飛べた。

高い展望台に登って、ポルトの夜景を一望することもできた。ただただ、黙ってそして眺めていた。どのくらい眺めていたのだろう。夕食の後に、コーヒーを飲みに川沿いのカフェに腰を下ろして、ポルトの最後の夜を締めくくった。

続く

Minami

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