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結果発表:ウィークリーぱか詠み第1回『天皇賞・春』

今回は、第2位が同率で2首ありました。

はじめに

今回は、こちらの3首が寄せられました。(順不同)

ありがとうございました!

まだまだ運営に慣れてないところを痛感しながらの開催でしたが、3首の投稿を頂きました。正直、だれも参加してくれなくて中止~!も視野ではあったので…本当にご参加いただきありがとうございした。

ただ、参加者が少ないというのは事実ではあるので、もう少し参加しやすいような仕組みを作ろうかと思います。特に投票。

あと、正式名称も『ウィークリーぱか詠み』にします。(仮名)を外し忘れてるところあったら教えてください。

おまたせしました。では、結果発表をどうぞ!

結果発表

第2位①

テイクオフ‼︎今日のマヤは違うから‼︎ 翼は最後 何を想う

1Pt gagagaizi

モチーフ:第115回 マヤノトップガン

 マヤノトップガンの天皇賞・春といえば、史実(正しい表現ではありませんが、伝わりやすさと言葉の短さを重視してこの表現を使用します)では彼のラストレースにしてレコード勝利を果たしたレース。
 アプリにて出走する春天は恐らく第113回、つまりその後の「アプリでは描かれていないレース」をモチーフにしたのでしょう。素晴らしい着眼点だと思います。
 マヤノトップガンは史実で映画『Top Gun』から名前を取られた経緯から、ウマ娘にその要素が逆輸入されているようです。ゆえの「テイクオフ」や「翼」という言葉選びでしょう。まあ本人も言うし。

トレセン学園に貼られていた『トップガン マーヴェリック』のポスター
もうすぐ公開から1年たつのね…

 さらに、この「最後」とは、史実を踏まえるとラストレース、広くとらえるとゴールの瞬間ではないかと。ダブルミーニングかもね。なんにせよ、ゴールするまさにその瞬間、その2つは重なっています。その勝利に酔うのか、いままでの旅路に思いを馳せるのか、全くそんな余裕もなく、ただがむしゃらに駆け抜けるのか。彼女が何を思うのか、それは彼女だけが知ることでしょう。
 上の句の可愛らしさと下の句の切なさの対比が心地よい一首でした。字足らずもいい味を出しています。主催者ゆえに投票には参加できませんが、個人的に一番気に入った歌です。

第2位②

突き放す 芝を蹴りあげ着々と 菊を再現選手権保持者

1Pt gagagaizi

モチーフ:第165回 タイトルホルダー

 「タイトルホルダー」「再現」と言えばといえば、彼の菊花賞が思い起こされます。簡単に言うと、タイトルホルダーの「菊花賞逃げ切り勝利」がセイウンスカイ以来23年ぶりで、勝ち方が全く一緒(終盤まで逃げ続けながら最終直線で再加速)といった感じです。タイトルホルダーの鞍上である横山武史Jの父親が、セイウンスカイで菊花賞を買った横山典弘Jということも話題の一つになりました。これが「再現」。(詳しくはこちらの記事をご覧ください。あとレース映像)

 しかし、彼には、もう一つの「再現」があるのです。それがモチーフである第165回の天皇賞・春。それでも彼は強さを見せつけました。レース映像を見ていただければわかるのですが、道中逃げて最後に再加速。菊花賞と同じ。「菊花賞の再現だ!」という名実況も飛び出しました。「深めた絆で人馬一体和田竜二」のイメージが強いですけどね。ちなみに、その時の鞍上は横山和生J、もう一人の横山家でした。これが、二つ目の「再現」。
 この歌はその2つをモチーフにしているのでしょう。上の句は情景的で、彼のレースが思い起こされます。下の句は先に述べた「再現」とタイトルホルダーそのものでしょう。「菊の再現」という二重の要素を落としこんだのは良い視点だと思います。
 今のままでも素晴らしいですが、やや説明的な印象があるように思いました。言葉のチョイスや使い方、語順などを調整すればさらに良くなっていくでしょう。

第1位

「賀茂川の水って知ってるか?」 歓声、葉桜と芦毛に吸われて

4Pt 蒼豆
1着おめでとうございます!

モチーフ:ゴールドシップ
コメント:「平家物語にある白河院の思い通りにならないものとして『賀茂河の水、双六の賽、山法師』が挙げられています。ゴールドシップ、そして淀の舞台には何が起こるか分からない「賀茂川の水」がピッタリだと思いました」

 賀茂川とは現在の鴨川のことです。字は上賀茂神社や下賀茂神社に残っていますね。この辺の歴史については、ちょっと調べると出てきます。
 さて、そんな賀茂川ですが、古来より反乱を繰り返して、天皇でも制御できなかったそうです。そういえば病が逸ると遷都したり大仏建立したりしてましたね、日本史。
 さらに、「白河院でも『賀茂河の水、双六の賽、山法師』は思い通りにならない」とは、裏を返すと「それ以外は思い通りになる」という権力の絶対性を表すものです。藤原道長の「この世をば」みたいなものですね、あっちはすべて思い通りになるという歌ですが。
 そして、ゴールドシップの破天荒さ。確かにこれは思い通りにならない。それゆえに魅力的で、史実でもウマ娘でも多くのファンがいますよね。私の友人もウマ娘はやってないけどゴルシは知ってる、みたいな人はいます。
 そんな彼女がレースに出るなら、歓声はものすごいものでしょう。実際、史実のレースではすごいものでした。

 天皇賞・春は4月後半に開催されるため、花はある程度散って、もう葉桜になってしまっているでしょう。そんな情景描写もいれつつ、モチーフを上手に落とし込んでいます。
 上の句ではセリフ調にして親しみやすい印象を与えつつ、句跨りも使って下の句に繋いでいます。歓声、からは下の句でも句跨りをして、幻想的な雰囲気を出しています。スタンドから周囲の観客とレース、それらを取り巻く熱狂が見えるようです。流石の一言に尽きます。

総評

今回はgagagaiziさんと蒼豆さんにお寄せいただきました。

蒼豆さんは短歌の経験もありますし、創作にも長けていらっしゃいますので、その技量を発揮してくれました。彼は知識に裏打ちされたモチーフ付けや世界観を短歌にしっかり落とし込んでくれるんですよね。

対するgagagaiziさんですが、見る専の予定と聞いていたのですが、今回の企画に投稿してくれました。この企画で短歌を初めてくれた人がいる、それだけで主催者冥利に尽きるというものです。普通に上手だし、短歌とは続けているうちにだんだん言葉が磨かれていくもの。これから先、短歌を続けてくれたら嬉しく思います。

企画としてはまだまだ改善の余地があると反省しております。あと、もう少し色々と言いやすい雰囲気づくりなど、いろいろとやりたいことはあります。皆さんも気軽にいろいろと言っていただければ。

まだ短歌に対してすこし固い印象を持ってる見る専の方もいらっしゃるでしょうし、参加者が少ないことも事実。でも、そういう方に伝えたいのは、「もっと楽にしていいよ」ということです。

少なくとも、『ぱかたんか』の第一目的は、楽しむことですので。短歌を見てるうちに、なんだか自分もやってみたくなって、でも始めるために勢いが欲しくなったら、ぜひご参加ください。短歌をやっている身としては、自分の歌が見られること、評価されることは基本的に励みになります。

さて、今年の天皇賞・春ではモチーフにも選ばれたタイトルホルダーを始めとする3頭に良くない報せがありました。我々にできることは、彼らの無事を、彼らをまたターフで見られることを待つことだけです。その時が来たら、よければ一緒にお祝いしましょう。その手段には短歌なんてどうでしょうか。

次回のお題

第2回のお題は、『NHKマイルカップ』です。

短歌の投稿の締め切りは5/5 23:59、投票の締め切りは5/7 12:00です。
皆さんぜひご参加ください。今回も『ぱかたんか』に参加していない方の参加も受け付けております。
『ぱかたんか』について、詳しくはこちらをご確認ください。

では、第2回結果発表でお会いしましょう。では!

南の柳


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