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株は安いところを買って、高いところを売るのものではないのか

結論から言います。違います。
未来を的確に予想できる神様でもない限り、そのようなことは絶対できません。
なので一般の「普通の人」さんたちは、このような考えを捨てた方がいいです。

まず、「株価が高い」とはどういう状態なのでしょうか

株価が高いとは、過去と比べて株価が上昇しているだけで、未来に下落するとは限りません。
逆に安いとは、過去と比べて株価が下落しているだけで、未来に反転するとも限らないのです。

株価が高くなっている状態というのは、相場に参加している人たちが「株価はまだ上がる」と思っているから高いのであって、参加者が「ここが天井で安くなる」と思っているなら、株価は既に下落し始めているはずです。
(これを「相場は織り込み済み」という表現を使います)
特にプロの参加者が多いインデックスにおいては、あらゆる方面から株価を分析できるプロ集団が売買を繰り返しているわけですから、「普通の人」さんがそれに逆らってもロクなことになりません。

なので、前に説明したアセット・アロケーションを組んで、現金とリスク資産の割合を一定に保ちながら、インデックスファンドの自然な上昇の恩恵に預かる戦略が最も有効となります。

それでも個別銘柄を中心に一財産築いた人が存在するのはなぜか

これは個別銘柄、特に新興株などはシャープレシオが悪くても、リスクの割合が大きく(つまりブレが大きい)、予想されるリターンよりはるかに大きなリターンが出現する可能性があるからです。
丁寧に説明すると統計学の知識が必要となりますのでここでは省きますが、簡単にいうと

リスクが大きいほど、期待リターンと中央値との乖離は大きくなる

つまり予想される上昇率はリスクがあるほど上ブレしやすいということになるのです。これが「リスクを取らないとリターンは得ることができない」という投資の原点になるのですが、大きすぎるリスクは反対に出るとリスク資産のほとんどを失うことにもつながります。「投資」というより「ギャンブル」に近づくことになるのです。

そういったリスクを背負っても株で一儲けしたい方は、それで仕方がありませんが、「普通の人」さんが将来の資産形成のために投資を行うなら、こういったギャンブル発想は他でやっていただいて、資本主義社会の恩恵のみを素直に受けるインデックスファンドへの投資こそ王道であると思うのですが、皆さんはどう考えますか。

インデックスファンドを購入することは、資本主義社会全体を購入することにほぼ等しいです。これ以上のリターンを得る方法は

  • インデックスファンドにレバレッジをかけて、上昇率にターボをかける

  • ギャンブルと承知しながら、個別株のリスクリワードに賭ける

この2つしかないと思います。
ただ「長期投資」という目線では、いずれも失敗する可能性が高いですし、投資資金が潤沢に補充されない限り、長くは続かないと思います。

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