爆弾低気圧のせいだから
今日、こんなにも落ち込んでいるのは、低気圧のせい。
なんだか胃の奥が重たくて、顔を上げ続けるのも力が必要で(放っておくと捨て犬みたいにうなだれる)、頭の中は複数の心配事がスライドショーみたいに次々と現れ続ける。
低気圧がマイナス思考を連れてきているんだ。低気圧が、私の目に映る世界を灰色にしているんだ。だから天気が良くなれば大丈夫。いつもの私はこんなんじゃない。
……でも本当は、低気圧のせいじゃないということを知っている。自分が落ち込んでいる明確な理由を認めたくないだけ。
怠惰な自分が後回しにしたことの〆切が迫ってきて、首が絞まっている。朱書き訂正が山ほど入った資料を突き返されて、自分の不出来に頭を抱えている。
これだけは得意だ、と思っていたことが全然ダメだった。いままで自分のプライドを支える唯一のよりどころだったのに。
能力がないことを知られたくないし、バカであることを悟られたくない。けどそういう事実を隠し通せるほど世の中は優しくない。
辛いな、と思う。何もかも投げ出して、さよならベイベーしたくなる。
だけどそうもいかないから、なんとかここに踏みとどまらなければいけない。その言い訳として、全部低気圧のせいにする。そうすれば、私のプライドは保たれるような気がして。
実際は枯れ木の先の、折れて風に揺られる枝が今のプライドの姿なのかもしれない。皮一枚で繋がっているコレを、落とさずに済むだろうか。
この気分の落ち込みは爆弾低気圧のせいではない。
明日が晴れでも気分は上がらない。
そんな悲しみを抱えている。
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