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【覚書】繊細と非繊細の間で

夫には怖いものが多い。

まず、包丁が怖い。

だから包丁を出したままにしておくと、嫌がられる。

「なぜ怖いか」を聞けば、それは「確かに」と思わされるもので、
協力しなければ…と思うものの、
料理の中でずっと包丁を使うわけではないが、
何度も使うので、総じて出しっぱなしになる。

夫としては目にしたくないので、一回一回しまって欲しいようだが、
ついつい出しっぱなしになるし、料理をしている最中にキッチンを離れることもある。
とりあえず流しに…ということもある。

夫には「私だって繊細だ」と主張するが、本当はわかっている。

私は繊細ではない。

夫のような繊細さは持ち合わせていない。

というか、幸い夫のような辛い経験をせずに済んでいるので
トラウマになることもなく、
おおらかに生きられているのだ。

で、時々、包丁を仕舞うことも「しまって」と言われることも
たまらなく面倒に思うことがある。

いかんいかんと思いながら今日も仕舞うのだけれど、
内心はこんな調子なのだ。

でもね、夫に輪をかけて神経質だったら余計疲れるでしょ?

と繊細じゃない私は心の中で言い訳をしながら
のらりくらりと生きている。

繊細さんを相手に気を使いながら、神経を使いすぎないように生きよう、と。

自分なりに考えて生きているつもりなのだが、
多分夫には
今日も妻が気(手)を抜いている、としか思われていないことだろう。

ここでこうして言い訳をしている時点でわかっている。

私は、気を抜いている。

夫には言えないので、ここで言ってみる。

私は、気を抜いている。

はい、気をつけます。


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