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『たまさか人形堂物語』感想

 読み終えたので、また少し感想でも。
 この人形店に持ち込まれる人形は実に様々で、人形と言って私が思い浮かべる身近なキャストドールのほかに、ラブドールや、土人形、ぬいぐるみなど様々だ。人形の知識の勉強にもなるし、主人公やその仲間たちの人形への想いや、客の人形とのエピソードは読み甲斐がある。

『人形は自己投影のためのツール』……うん、確かにそうだなぁと思う。
『人形をつくる理由はそれに託して、継承するため』……これもわかる。
 私は趣味で自分の好きなキャラをドールにしようとカスタムするけれど、その行為にはそういった意味が隠れているのかもしれない。自分の好きなキャラへの想いの表現だ。

『諦めてしまっている人形も修理します』という店の広告に惹かれてやってきた客は、人形を通じて心も治されていく。人形は己の分身そのもの。心の投影は愛の証なのだ。

「伊達に人形もひとの形をしていないとうことですねぇ」

この作品はまだ続編があるようなので、そちらもいつか、また。

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