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💊接客日記(季節性アレルギー性鼻炎)

まずは季節性アレルギーと通年性アレルギーについて確認しよう。

アレルギー性鼻炎はくしゃみ、透明な水溶性の鼻水、鼻づまりが特徴なんだが…

ダニやホコリなどが原因で1年を通して鼻炎症状が認められる「通年性アレルギー性鼻炎」と、スギやヒノキの花粉などが原因で、花粉の飛散時期だけに鼻炎症状が認められる「季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)」に分けられる。

俺が接客したのは、季節性アレルギー性鼻炎、つまり、花粉症のお客様ってわけ。

俺が、接客したのは50代の年配の男性だった。鼻炎のコーナーをずっと眺めていたお客様。

白衣姿の俺が近づくと、薬剤師だとわかったのか、薬剤師さん!と声をかけていただいた。

話を詳しく伺った結果。

お客様は、花粉症によるくしゃみ、鼻水に悩まれている。鼻詰まりは困ってないらしい。花粉症も終わりかけだけど、何か飲み薬で良い薬がないか…と。点鼻薬は嫌いらしい。そして早く効く薬が良いらしい。特に注意して欲しいのは次からのポイントだ。

男女問わず、50代以降の年配のお客様が来たら、基礎疾患を確認すること。
もちろん、いつも基礎疾患の確認をしなければならないが、この場合は特に念入りに注意深くする必要がある。何故なら、飲み薬の鼻炎の多くは、プソイドエフェドリン塩酸塩や、抗コリン成分、抗ヒスタミン成分なとが配合されている。油断して確認を怠ると禁忌のオンパレードである。

年配のお客様が基礎疾患をお持ちなら、かかりつけ医に確認し、受診勧奨をしよう。

お薬手帳を持ち、飲み合わせの確認ができたら、飲める薬をお調べすることは薬剤師なら可能だが、何の薬を飲んでいるかわからない基礎疾患があるお客様に内服の鼻炎薬をオススメするのは無責任かつ、かなり危険だからだ。医師にとっても迷惑な薬剤師になる。

次は基礎疾患がない場合の対応。俺が接客したお客様は基礎疾患がなかった。病院の薬も飲んでいないし、アレルギー、副作用歴もなし。

よし!なら、安心!

…とはいかない。

年配のお客様であることは変わらない。だから、俺は次の質問をした。

「普段から喉が乾いたりしませんか?」→①

「普段から尿の出が少し悪くなるといったことはありませんか?」→②

💊①も②もない場合は、制限なく、その方にベストな鼻炎薬をオススメできる。

💊①が当てはまった場合は、第一世代抗ヒスタミン成分を配合した複合剤をオススメはできるが、副作用に口渇があるため、こまめに水分補給をしながら様子を見て服用してください。同じような症状が出たら服用を中止して、またご相談下さい。と付け足すこと。

💊②が当てはまった場合は、基礎疾患がないとはいえ、排尿障害になってしまう場合がある。薬剤師は副作用を未然に防ぐ必要がある。つまり、②が当てはまるお客様には第一世代抗ヒスタミン成分を配合した複合剤をオススメしないこと。

俺が接客したお客様は②が当てはまった。だから、選択肢として第一世代抗ヒスタミン成分を配合した複合剤を除外した。

第一世代抗ヒスタミン成分を配合した複合剤の一例。お客様は最初これを手に取っていた。
鼻詰まりに困ってないのに、プソイドエフェドリン塩酸塩がある時点で、①や②に当てはまらなくても俺は選択肢を変えて、プソイドエフェドリン塩酸塩がない鼻炎薬を選んだだろうけどね。

②が当てはまった場合、飲み薬の場合、選択肢はアレグラ(フェキソフェナジン塩酸塩)か小青竜湯になるかな。

まぁ、アレグラじゃなくても、アレグラ以外の第二世代抗ヒスタミン単剤でもいいが、わかりやすくするためにアレグラと書く。

(以下、補足知識のミナトメモ)

(補足終了。)

基本的には②の場合、アレグラを選んだ方が良いが、お客様は早く効く薬が良いとおっしゃった。また、花粉症のシーズンも終わりかけなのに、今からアレグラを飲み続けてやっと効果を発揮じゃ、手遅れである。

俺は今まで説明してきたことをわかりやすい言葉でお客様に説明し、小青竜湯をオススメした。

小青竜湯は水様性の透明な鼻水にオススメなので、お客様の鼻水のことも軽く伺った。ちゃんと水様性の透明な鼻水らしい。まぁ、アレルギー性鼻炎だし、当たり前ではあるが、念のため。

更に小青竜湯には排尿困難が相談することになってるから油断は禁物だし、注意事項の欄も書いてあることはお客様には伝えたぜ。
それでも、アレグラは不親切だと感じた。効果発現までにかなり時間がかかる。第一、早く効く薬が良いとおっしゃってる。
そして、お客様は点鼻薬は嫌いだし、ステロイドの点鼻薬だって、鼻詰まりにも困ってないし、そこまですぐには効かない。やはり、小青竜湯である。

ちなみに基礎疾患がなくても、症状が

・夜中に何度も行く
・トイレに1日10回ほど行く
・残尿感がある
・尿を漏らしてしまう

など、明らかな排尿障害、前立腺肥大症の可能性があるとは判断したら受診勧奨だ。

今回のお客様はそうではなかった。だから、販売した。そのために、相談することって記載がある。

小青竜湯は温める薬だからお湯での服用もオススメしたら、丁寧にありがとうだって。

俺は最後に、お客様にはこのお薬がベストだと選ばせていただきましたが、効果がなかったり、何か違和感を感じたらまたご相談いただくか、病院へ受診してください。と念入りに接客しました。

終わり。

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