7/26女の子キャスト3人登壇 『ラストサマーウォーズ』プレミアム舞台挨拶
「顔ちっっっっっっっっっさ」
(写真左から監督、飯尾夢奏さん、羽鳥心彩さん、上田帆乃佳さん)
撮影地入間市を初めて訪れるきっかけとなったイベント。3人の女の子キャストは、本当に可愛すぎた。
高梨明日香役：飯尾夢奏
2010年3月2日生まれ。東京都出身。ニコ☆プチの専属モデルとして活躍。主な出演作は「砂の塔〜知りすぎた隣人〜」(’16)「恐怖人形」(‘19)など。ほか数多くのCMにも出演。
栗原夏音役：羽鳥心彩
2011年3月30日生まれ。埼玉県出身。主な出演作は「さそりとかゑる」(‘19)など。ほか数多くのCMにも出演
刈部志穂役：上田帆乃佳
2010年7月5日生まれ。東京都出身。主な出演作は「逃げるは恥だが役に立つ」(‘16)など。Eテレ「Eダンスアカデミー」のダンスキッズとしても活躍した。
監督自ら進行役を務めてトークイベントはスタート。子供CASTにも丁寧な敬語で接し一女優さんとして敬っているように感じられた。基本的には無邪気にのびのび話してもらい、言葉につまってしまったときには適時フォローする、監督の温かい親心が感じられる微笑ましいイベントだった。
3人はそれぞれが自己紹介をした後、監督が投げかける質問に笑顔を絶やさず一生懸命答えてくれる。
オーディションは、落ちた人が名前を呼ばれて居なくなっていく形式だったらしい。ハードだ。最終的に300人から6人に絞られ、決まった時は本っっ当に嬉しかったと明日香役：飯尾さんが和やかに語っていた。
楽しかった思い出を聞かれて、全員が、「茶畑に横一列になって駆けるシーン」をあげていたことが印象的だった。
監督はテストを含め何度も走ってもらって申し訳なかったと気にしている様子だったが、全力疾走を何度させられても意に介さず「楽しい」と言えるのは、疲れ知らずの若さゆえだろう。OKが出た後も元気に走り続けていたそう。6人で競争したら、陽太役の阿久津さんが一番早かったらしい。50ｍ走7秒台の記録を持つというから驚いた。
最後にCAST3人から監督への質問コーナーが設けられた。
志穂役の上田さんは、「私は夏音役でもオーディションを受けていて、そっちもいけたんじゃないかと思うんですけど」と、監督に詰め寄っていた。
夏音を演じた羽鳥さんも、「髪を切ってオーディションに臨んだが、もしも髪がすごく長いままだったら、私は夏音役に選ばれたのか」と迫っていた。
監督、彼らの可能性を否定はできないし、ただほかの配役では考えられないほどハマり役と思っていたからこそ、答えに窮しているように見えた。
女の子が3人揃えば、かしましい。興味関心も多くいろんなことに疑問を持つし、細かいことを気にするし、そして子供らしくするどくツッコむ。3人は年齢相応にあどけないが、感性は鋭く、これからの活躍が大いに期待される素敵な女優さんたちであった。
先日シネマネコで行われた監督のトークイベントにもお邪魔したが、わずか10日の撮影期間、彼らは20時までしか仕事ができないから、撮影時間が至極限定されたとおっしゃっていた。でも、だからこそ規則正しい生活をしながら撮影ができたとプラスに捉えられていた。
夏音は、名探偵コナンに出てくる灰原哀（はいばら あい）をイメージしたキャラクターで、羽鳥さんの色気のある流し目を見て、夏音役に選んだ。また最初志穂役はフィリンピン人とのハーフという設定だったが、上田帆乃佳さんを見て、ぜひ志穂役をやってほしかったので設定のほうを変えたそうだ。たしかに志穂は上田さんしか考えられないくらいハマり役だった。
小学生を主役にすることは想像以上に大変だったと思う。撮影は昨年秋頃、当時、明日香役：飯尾さんと、基雄役：小山さんは小学6年生で、ほかの4人ははまだ5年生だったそうだ。セリフを言う人の背後でそれぞれが自然な演技を続けるのは難しい。無邪気さを損なわないよう演技指導を行う苦労もあったのではないだろうか。敏感な子供たちは、大人がピリピリしていると委縮してしまう。彼らがスクリーンいっぱいにのびのびした演技を披露できたのも、楽しい現場作りに徹した監督とスタッフさん、大人CASTの方々の気遣いが大きかっただろう。その結果小学生にしか表現できない瑞々しさ、儚さを詰め込んだ奇跡のような映画がここに生まれた。
彼らの純粋さが眩しくて、何度観ても自然に涙が湧いてくる。笑いながら泣ける傑作『ラストサマーウォーズ』は夏がおわっても上映はまだまだ終わらないらしい。このままいけるところまで走り続けてもらいたい。
また映画館で感動を味わいたいな。
