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営業女子9年、「営業やってて良かった!」と思うこと。

身の回りの結婚や出産を控える女性からよくキャリアについての相談を受けます。その中で特に多いのが「出産後も仕事を続けたいので、営業職をやめたい」というもの。

営業の仕事は、精神的にも肉体的にもタフさが求められるイメージがあり、敬遠するのは女性に限らず少なくないですよね。私の身近な若者(特に新卒)も、「営業の部署だけは配属されたくない!」と言う子がけっこういます。
たしかにクライアントありきで予定が決まるし、外出が多いので肉体的に疲れます。社内外に気を回しながら仕事をして、何より営業数字の精神負担たるや…。

私自身、自分のキャリアの中では営業が最も長いです。途中でキャリアチェンジしたのでちょこちょこブランクはありますがトータルで9年ほど。
新卒時代は営業職として身を粉にして働き、ストレスで通院し続けた結果、医者から「もう出す薬ないです」なんて言われたことがありました。(大昔)
結婚したり、子供を産んでからも働くことを考えると、営業職を続けるのは現実的ではないのでは・・・?キャリアチェンジしたい!と思う人の気持ちもわかりますが、私はやっぱり「営業やってて良かった!!」と思うことの方が多い。

営業で得られる3つのビジネススキル

営業=何か物やサービスを顧客に説明して契約を取るのが業務のイメージが強いですよね。まぁ、ゴールとしてはあながち間違いではありませんが。ですが、実際に「契約をとる」のプロセスには、多くのビジネススキルを必要とします。その中で特に私が学べてよかった、これからも大切だと思うものをまとめます。

・課題発見から解決のプロセスを構築する力

手段はそれぞれ異なりますか、営業の仕事のほとんどが問題解決です。顧客との対話で、問題と課題は何か。何があれば解決するかを常に考え続けます。
決まったメニューのサービスであれ、ツールでもソリューションでも同じ。コンサルティングを必要とする営業活動では、毎回異なる課題と解決策の組み合わせを無数に考え続けます。この訓練により、どんな職種でどんな環境でも、問題を見極め解決のための道筋を立てられるようになります。

・市場に敏感な情報アンテナ

営業は顧客と最も近い立場ですので、常に最新の顧客の情報と向き合うことができます。社内にいるだけでは気づけない細かいニーズや変化を誰よりも早くキャッチできる環境の価値は、他の職種では得難いものです。また、営業活動によってできた人脈もかけがえないアンテナのひとつ。学生時代の友人とは違う、ビジネスでつながる情報交換をできるのが魅力です。

・コミュニケーション能力

これは単に明るくてよく喋る、説明が巧みと言った類のものではなく、以下の5つの要素があると思います。

わかりやすく伝える力(書く、話す両方)
人の心を動かす力
対話としての丁寧さ、気遣い
察する力
予測する力

相手にとって心地よい対話を通じて、サービスの価値について伝え、感動を与えることで意思決定を促します。顧客の断片的な言葉から真意を察し、事前に感情を予測して言葉を選ぶ。
かなり高度な技術に聞こえますが、結果を出せるようになるとこれらはいつのまにか叩き込まれているのが営業です。

産後のキャリアの築き方

新しい事を始めるのは難しいという人が多いです。何が難しいかというと、とにかく心理ハードルが高い。「これまでやってきたことと違う業界や職種」、「新しいことをイチから始めることへの労力」「失敗に対する不安」などなど。
子供を出産してからは、新しいことに閉鎖的になる人がさらに多いように感じます。

人は初めてのことに対しては、現在との差異に目が行きがちで、不安を自ら増大させる癖があると思います。ですが、実は営業をやっていると多くのことが「初めて」ではなくなると私は思います。

課題から解決のプロセスを探る力、情報収集力、コミュニケーション力。これらがあったら、正直最強だと思うんです。なんでもできます。わからないことを知る、学ぶためのプロセスも自分で組み立てられてしまうからです。

なんとなく周りに流されながら就職活動をし、社会に出て15年目となりました。これまで築いたキャリアは決して計画的なものではありませんでしたが、間違いなく「今」をつくるのに必要な時間だったと思います。

営業を経験した女性は、キャリアアップもキャリアチェンジもしやすいはず。自分の能力をもっと汎化して捉え、自信を持って欲しいなと思います。

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