稲穂見て 子ども心を 思い出し 恋のことをも 喜志の思い出
「ファアア、こんなに朝早くから何いったい」川西は眠そうな目をこすり朝の町を歩いている。昨日20歳になったのを記念して行われた同窓会で再開した同級生の男子・滝谷から朝の散歩に誘われた。久しぶりに地元・大阪府富田林の北側にある喜志の町を歩いている。誘った滝谷も眠そうでうつろな目。「もう少しだから、我慢して」と、小声でつぶやく。
こうしてもうしばらく歩くと田んぼが広がるところに出た。
「ほら、やっぱり、ネットで見た通りだ」
そこには多くの人が田んぼにいたが、その時の記憶が一気に思