“Heart of Darkness” by Joseph Conrad (32)

“Heart of Darkness” by Joseph Conrad (32)
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俺は俺たち二人を見ている広大さの顔のその静けさは訴えかけているのか、脅迫を意味しているのだろうかと訝しく思った。
ここに留まっている俺たちは何者だろうか?
俺たちはこの愚かな物事を処理できるのだろうか?
それとも、向こうが俺たちを処理しているのだろうか?
俺は話すことも、たぶん聞くこともできないそいつがどれほど大きく、ばかげて大きいかを感じていた。
そこにいるのは何なのか?
俺はそこから少しばかりの象牙がやって来ることを知っていたし、カーツ氏がそこにいると聞いていた。
俺も、そのことは十分聞いていた。
神のみぞ知る、だ。
しかし、それは何故か何のイメージももたらさなかった、そこに天使か悪魔がいると言われたにすぎなかった。
俺はそれをお前たちのうちの一人が火星に住人がいるかもしれないと言われてそれを信じるのと同じ様にそれを信じた。
俺は昔火星には人が住んでいると頑なに信じているスコットランド人の製帆職人を知っていた。
彼らがどのように見え、どのように行動するかについて彼に尋ねると、彼は恥ずかしそうに、「四つん這いで歩く」ことについて何かをつぶやくだろう。
お前たちがちょっとでも笑えば、60歳の男ながら戦いを挑んでくる。
俺はカーツの為に戦うというところまでには行かないが、彼のために嘘をつくというところまでは行った。
俺が嘘をつくことが大嫌いで、嘘をつけないってことはお前たちも知っているだろう。
それは俺が他の奴らより包み隠しの無い人間だからではなく、単にその事が俺を驚かせるだけだからだ。
そこは死の汚点、嘘の中の死の香りがする。
それが正に俺が世の中で一番嫌いな物、唾棄すべきもので、忘れてしまいたいものだ。
腐ったものを噛むように、惨めで気分が悪くなるのだ。
気質のせいだろうと俺は思う。
まあ、ヨーロッパでの俺の影響力について、そこの若い馬鹿に好き勝手な想像をさせることで、俺はそれに近いことをやってしまった。
俺も一瞬にして他の巡礼者たちと同じように 自分を偽った。
その理由は、当時、まだ会ったことも無い、あのカーツに役立つと思ったからだ、わかるだろ。

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