「あみぇー」が「雨」に変わる頃には
「あみぇー」
と、娘が言う時、本当に雨が降っていることもあるし、ただ曇っているだけのこともある。「雨」の概念を理解しているのかまだわからないけど…まあ多分、してないだろうな。「おうちの外にいると時々、上から水の粒がいっぱい落ちてくる」くらいには思ってるかもしれない。
この世に生まれて1年5か月の彼女の世界は、きっと不思議で満ちているんだろう。一度で良いから、その目を通して世界を覗いてみたい。きっと雨ひとつとっても、宝石みたいに輝いて、胸が踊るに違いない。
ちなみに彼女の中には既に「おうち」「おそと」「みず」「いっぱい」「おちた」という語彙が存在する。外出先から自宅に到着した時に「おうち」と言ったり、玄関や窓際で「おしょと」と言ったり、物が複数ある時に「いっぱい」と言ったり、スプーンを落とした時に「おちた」と言ったり…言葉の吸収力には、毎日驚かされてばかりだ。
特に「水」は「みじゅ」として認識しているらしく、ある日、出かけた先の側溝で流れる透明な液体を「みじゅ」と言い出してからは、あちらこちらでこの言葉を発している。
お風呂で「みじゅー」(で遊びたい)
トイレで「みじゅー」(が流れるのが面白い)
台所で「みじゅー」(を飲みたい)
これがどれも楽しそーーーーうにニッコニコして言うんですよ。可愛くて仕方ない。抱きしめたい。頬ずりしたい。こんなに愛らしい生き物がいるなんて、世界はなんて素晴らしいんだろう。彼女のおかげで今、私は本当に毎日幸せいっぱいだ。愛であふれまくっている。
ただ、苦労が無いわけでもない。
成長目覚ましい彼女は、最近「シナイ」という言葉も覚えた。
服を着せようとする→「シナイ」(暴れる)
オムツを交換しようとする→「シナイ」(逃走する)
無理に食べさせようとする→「シナイ」(スプーンをぶん投げる)
家庭内のあらゆる場所が戦場になる。自我の芽生えが嬉しい一方、激しく疲れる。ぶっちゃけnote書く余裕ない(言い訳、ヨクナイ)
最近も雨合羽を着せようとしたら「シナイ」と言って床でふんぞり返ってしまった。多分「お母さんが得体のしれないツルツルの布で私の自由を奪おうとしてる」とか思ってるんだろうなあ…
ちなみに合羽は、ばあちゃん(私の母)が買ってくれたもの。せっかくだけど、当分、着るのは難しそう。かわいらしいんだけどなあ…ちょっと気が早かったね。
でも、すくすく成長してる彼女だから、「あみぇー」が「雨」に変わる頃には、着られるようになるんじゃないかな。
その時、世界はどんなふうに輝いているんだろう。
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うたたネさん発案で「雨」をテーマにしたアンソロジーに参加させていただきました。
当初は小説で行こうかと思ったんですが、良い感じの物語が思い浮かばなくて、結局育児ネタに落ち着いてしまいました。そして課題の合間に書いたので、ちょっと物足りない感…もっとこうしたらいいかもというご意見も歓迎ですので、ご感想お待ちしてます!
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ボウキョウ謝辞まつり②は8/10(月)公開予定です!もう少しお待ちくださいm(_ _)m
応援してくださるそのお気持ちだけで、十分ありがたいのです^_^