古いブーツを塗ってみた
先日、娘がクラブのメンバーから古いEdea(エデア)の靴、Accordo(アコード)と、まだ比較的新しいKomplex(コンプレックス)のフレームを格安で譲っていただいた。娘は8月に試合に出ることになったので、そろそろちゃんとした靴を履いた方が良いとボスがアレンジしてくれたのだった。
アイススケートと同じように、アーティスティック・ローラースケートでも良い靴といえばやはりイタリア製の2社、EdeaとResport(リスポート)が絶対的な人気を得ている。私はResport派だったのでEdeaの靴を手にするのは初めてなのだが、この靴も作りがかなりしっかりとしていて、安定感のある滑りができそうだ。ベロの部分がResportよりかなり分厚いのも、良さそう。
ただしこの靴、かなり年季の入った中古の靴だったので、一生懸命磨いたのだがあまりキレイにならなかった。普段は娘もブーツカバーを使用しているから見えないし、本人は全然気にしていないようなのだが、どうしたもんかなぁ~、何か方法はないかな~とググってみると、あった、あった、やっぱりあった。古いスケート靴は、なんと塗ってしまえばいいらしい。
↑ Edeaの動画。Edeaには「スケート・ポリッシュ」という製品があり、これを塗るとEdeaの靴の色と全く同じ色で傷の部分だけを塗って隠すことができるそうだ。もちろん、全体に塗ってしまってもOK。スポンジを使って塗り、境目をぼかしたい時はタオルを使っている。なるほど。
↑ コーチジュリアの動画。きちんとマスキングしてから、筆で塗っている。私はこの動画を見て「ここまでボロボロになった靴でもここまで蘇らせることができるのか!」と驚愕し、やってみようかな、という気になった。革が剥がれてしまってデコボコしている部分は、爪切りできれいにして平面にしておくこと、できるだけ薄く塗って3度塗りした方がきれいに仕上がること、などがポイントのようだ。
というわけで、早速近所のショッピングセンターにある靴の修理屋さんでこの2つの製品を買ってみた。
左側は、スポンジが先についているレストアラー。こちらはペイント成分が薄めで、白い部分を白く保つのに良い、と説明された。傷や汚れのひどくない部分はこれでいけるかな、と思って購入してみた。右は革靴用のペイント。傷のひどい部分だけをこれでカバーしてみるつもりだった。革用のペイントなので、柔軟性に優れたひび割れにくいペイントなのだそうだ。
そしてこちらが問題の靴。全体的に変色しているし、擦れた跡がかなり多かった。傷のない部分はペイント成分が薄めのレストアラーでいけるんじゃないかな?と思ったのだが……全然ダメだったー!
結局、ペイントで全体をがっつり塗ることにした。
ペイントに安っぽい筆がついていたのだが、こういう時にはもうちょっと良い筆を使った方がいいと相場が決まっている。といっても高級な筆を使う必要もなさそうなので、普通の水彩用の平筆を使用してみた。水性のペイントらしく、乾く前なら水で洗い流すだけで筆も綺麗になった。
マスキングは、面倒なのでしなかった。自分で言うのもなんだが、私は実は結構ペイント系は得意なので、はみ出すことはないだろうな、という自信があった。結局、やはりちょっとはみ出てしまった箇所もあったのだが、乾く前に拭いたらすぐに落ちた。でも、慣れていない人はやはりマスキングテープをしておいた方が良いと思う。
こちらは現在、秋で、日中は20度くらいの気温。ペンキ系には最適と思われる、そんな20度くらいの気温の室内でも、このペイントはすぐに乾いてしまうみたいだった。水性ペイントとはいえ、マニキュアが乾く感覚にかなり近い感じ。手早く作業をすます必要があったが、おかげで乾かす時間を取らなくても、すぐに2度塗りができた。ただし、私はこの靴を革靴用のクリームでかなり熱心に磨いた後だったので、最初の塗りはかなりペイントがはじいてしまった。やはり上の2つの動画で説明されているように、下準備として洗剤を少し入れた水に浸したタオルをかたく絞って拭き、汚れと油分を落としてしっかり乾かしてから塗った方が良さそうだ。私のように洗わないで塗り出すと、もしかしたら後でペイントがはがれやすくなるかもしれない。
最初の塗りでは、革の汚れが隠れなかったり、筆の跡が見える(でこぼこにペイントが残るのはアウトだが、筆の刷毛目が見えるのはOK)くらいで大丈夫。なるべく薄く、2度塗り、3度塗りと重ねれば、やがて筆の跡も汚れも消えていく。
そして3度塗り後。
ちょっと、ちょっと、これ、すごくない?自分でも驚いている。あの靴がこんなにきれいになるなんて!!!!!!ペンキがのっているような質感もなく、ベタベタもせず、仕上がりはかなり自然な感じだ。
娘の成長が止まって、もう頻繁に靴を買い替えたりしないですむようになったら、次回は新品のいい靴を買ってあげようと思う。ウィールとベアリングだけは成長に関係ないので、今回新しいのを購入してあげた。私の使っているのとまったく同じだが、こちらはちょっと大きめで63mmのKomplexのエンジェル(Angel)のウィール。
これで道具は揃ったし、あとは練習あるのみ。頑張れ、娘!
追記:ものすごく綺麗に仕上がって大満足だったのだが、ベロの靴ひもが一番擦れる部分は一度滑っただけでペイントが剥がれてきてしまった……。ベロの部分は、塗らない方が良さそうだ。
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