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【感想】映画 マチネの終わりに(ネタバレあり)

印象的な言葉

人は、変えられるのは未来だけと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それぐらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?


あまりまとまってませんが、先日観に行った感想を述べます。多少ネタバレを含みます。

小説を読んでから映画へ

まず、小説を半分ぐらい(お互いに結婚を決意したところまで)まで読みました。

小説を読みながら、頭の中で福山さん演じる薪野と、石田ゆり子演じる洋子の表情を想像していました。とても繊細に情緒が浮かんでくる良い小説でした。

僕は普段はビジネス書ばかり読んでいるし、映画も恋愛ものを見ることはほとんどないのですが、とても引き込まれました。

時間がなかったので小説は半分までだったのですが、残りはお楽しみを取っておく感じで有楽町のTOHOシネマへ。

映画が始まってみたところ、福山&石田のペアの演技はある意味、小説を見ながら想像していた通りでもあったし、より色濃く苦悩が出ているようにも感じました。小説では言葉で細かく描かれているものを演技で表現してるからこそ、自然でかつ情報量の多い演技だったのかもしれないし、小説を、読んだことで頭の中で補完的に見れたのかもしれません。

強いて言えば50歳の2人が40歳を演じているので、いくら若く見える2人とはいえ、少し年齢を感じたかな。といった感じ。

福山さん演じる薪野は天才クラシックギタリスト

その才能で若いときから一目置かれていたが40歳を迎えて、スランプに落ち、若いギタリストの台頭に焦るなど苦悩の日々。

映画中、コンサートホールで実際に演奏しているシーンがあるのですが、これは3ヶ月猛特訓したとのこと。

福山さんは普段からアコギやエレキは弾いていますが、クラシックギターは本当に全然演奏の仕方が違うから相当練習しただろうなと思いました。僕も最近アコギを覚えたからこそ、相当難しいんだろうなというのは想像できました。

コンサートホールもしっかりした場所を使っていたし、実際に外国人のお客を入れて演奏するのは緊張すると思います。

石田ゆり子は世界で活躍するジャーナリスト

石田ゆり子演じる洋子は、パリのRFP通信で働くジャーナリストの役。婚約相手はアメリカ人。父親は有名な架空映画「幸福の硬貨」というギタリストの映画の監督。

薪野がギタリストを目指すきっかけになったのもこの映画で、この映画、テーマ曲をきっかけに2人の関係が深まっていきます。ロマンティック!

洋子のいるパリでのロケは2018年の10月下旬に焼け落ちる前のノートルダム大聖堂の近くで行われたということで、映像価値が高いとのこと。

ちょうど僕も2019年10月にパリに旅行をしてきて、実際にみた風景だったので、とてもリアリティを感じるものがありました。

小説ではジャーナリストとしてイラクに行っていたのですが、そのくだりはカットされて、パリでテロに遭遇するということになっていましたたが、これは小説が2015年に出たあとの最近のパリのテロ事件もあったので、時世に合わせたいい感じの調整だったと思いました。

石田ゆりこさんは今回の役のために英語もフランス語も勉強したそうです。

洋子はテロがきっかけで患ったPTSDに悩み、父親との疎遠、祖母の死、家族との離婚、と本当に人生の大きな事件が立て続けに起きて、映画を見ながらなんとか救われて欲しいなという思いました。

あと、洋子の婚約相手として出た伊勢谷友介は本当カッコいいっすな。顔の濃さから日系アメリカ人という感じがあったし。リチャードっていう名前から小説ではどっちかというともっと体の大きなアメリカ人ぽい人を想像してたからちょっとびっくりしたけど。


最後に

クラシックギターの選曲が全体に切ない感じを出しているし、物語全体的に切ないけど、最後の終わり方が期待を持たせる感じになっているのがよかった。全然恋愛ものを見ないし、読まない僕でも十分楽しめる大人の恋愛でした。

そして、この言葉がやはり刺さりました。

人は、変えられるのは未来だけと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それぐらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?

西野さんの近畿大の演説でも同じようなことを言っていたのですが、今の時代はこういう捉え方が合っているんでしょうね。

興行成績があまりよくないらしく、映画館での上映は早く終わってしまいそうなので、まだ見ていない方はお急ぎください!

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