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アナログフィッシュのこと。

アナログフィッシュを好きになって10年くらい経つ。
曲が好きなのは当たり前だけど、ライブに行き続けるのは3人の空気がとても好きだから。州さんはニカって笑いながらドラム叩いていて、健太郎さんは口下手挙動不審だけどテンション最高潮に達するときはかっこよくて少し面白い。健太郎さんを見て笑う下岡さんと州さんが可愛い。
そして下岡さんはライブの最後に必ず「また会いましょう」って言ってくれる。次も必ずあるんだ、次も会いに行こうって思わせてくれる。

下岡さんの優しいお人柄に触れた出来事がある。
7年前くらいのこと。大学卒業後仙台で働くことになり、物理的にも精神的にもライブに行けてなかった。そんな中アンテナとSISTER JETの3マンがあり、アナログフィッシュに会いたい一心でチケットを取った。毎月のようにライブに行っていたから、1年ぶりのライブを心の支えにしていた。

当日はまさかの数十年ぶりの大雪。仕事も押してしまいタクシーで会場に急いだ。大丈夫、きっとトップバッターではないはず。
到着後すぐにスタッフに出番の確認をしたらアナログフィッシュは終わってしまったとのこと。なんで…と泣きそうになっていたら真後ろにまさかの下岡さんがいて「ごめんねー。」と声をかけてくれた。目の前に本人がいるにも関わらず泣いてしまった。この日を支えに毎日耐えてきたのに。
「僕ら以外にも素敵なバンドばかりだから観て行ってね。」と言ってくれたのでとりあえず中に入った。もちろん2バンドとも素敵だけれど、放心状態で演奏が全く入ってこなかった。立っていることも辛くて途中で帰ることにした。会場を出ると下岡さんがいてくれて、地上までの階段を一緒に上がり出口まで送ってくれた。もしかしたら大泣きした私を心配してくれたのかもしれない。本来出番はトップじゃなかったけど、雪のせいで急遽変わってしまったらしい。「(私が)ライブ見れなくて残念だ。また来てね。」と肩をポンとしてくれた。
ライブは観れなかったけど、下岡さんの優しさに触れて演奏以上に心が満たされた日だった。あの日の自分情緒不安定すぎて思い出すだけで恥ずかしいけれど、下岡さんの人柄に触れてしまった私は永遠に好きでい続けるんだと思う。だってあんなに素晴らしい曲を作る人は、ステージ上だけじゃなく目の前にいる時も素敵だってことを知ってしまったんだもの。

アナログフィッシュは生きる希望だと誰かがTwitterでつぶやいているのを見かけたけど、本当にそうだと思う。でも、本人たちはきっと自分たちが生きる希望になろうとかそんな大げさなことは考えていなくて、ただただ音楽と真摯に向き合い続けて私たちに届けてくれているんだろうな。

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