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緊急事態は突然起こる。豪雪地帯じゃないのに、豪雪がきたとき

今日は、5年前の2014年2月15日に経験した災害の真ん中にいた出来事を書いてみる。自分にとっては、プチ壮絶体験だった。その数日のとびとびの出来事の記録である。


「みなみちゃん、外やばいことになってる」

普段なら出勤しているはずの同居中の友人の言葉に、窓の外を見る。

2014年のバレンタインデーからの明け15日。アパートの駐車場、停めてあるはずの車の列は影も形もなく、ただとんでもなくでかい白い塊の列がボンボンボンと並んでた。観測は99㎝らしいがほんとか?肌感では、14日の夜から15日日中にかけて、1m以上は積もったと思うが

当時の愛車EKワゴンが埋もれた写真。耳だけ出ている。この雪をかいた後、さらにまた50㎝くらい積もって泣きながらまた雪をおろす

もっと写真を撮りたかったが、みんな必死で雪かきをしていたので空気を読んでやめた


こちらは2月17日の映像だが、おそらく本当に大変だったのは、2月14日夜~未明。そしてとんでもないことが起きたぞと、近所の人と顔を合わせながら共有したのが15日。が、14日~16日まではおとなり山梨県の豪雪の方が大きく取り上げられていた。長野県がメディアにでたのはもう危機の峠を超えた後で、「長野すごいね、大丈夫?」と来た頃には、へ?もうかなり大丈夫よ!という感じだった。

一晩で一気に雪が積もり、アパート入り口に見たことのない雪の壁。アパートの敷地からは出られそうにない。車の上にもバカ高い雪。おろそうにも、まずは車の横の雪からかかないといけない。そもそもかいたところで、この雪どこに置くの…

豪雪地帯は「雪をまとめる場所」や「雪を流す場所」があるらしい。が、そんなに雪が降った試しがないのだ。みんな雪が降ったら適当にかいて、その辺にぽいぽいと積み上げておけばよかったのだ。

みんなとりあえず、置けそうな場所におく。どうせしばらくは出勤できないだろうと。車の横にうず高い雪の壁ができた。

日常はあまりにも簡単に崩れる。

それでも出勤するか

いつも早朝に出勤する同居人。この壮絶にふる雪を見て、

「できるだけ早めに起きて雪をかいて出勤」と思った彼女。

でもこんなもんだ。長野県の勤め人は雪をかいて出勤はデフォルトである。が、彼女は決して遅刻してはならぬと心に誓う特に真面目な勤め人だった。数時間ほど早く起きて、おそらくアパート入り口に立ちふさがる雪をどかし、駐車場の必要ルートを雪かきし、車の雪をおろしたんだろう。そして、エンジンをつけ外に出ようとしたのだった。

同時期、碓井軽井沢インターまでの道が数珠つなぎとなり数百台が足止めをくらい、国道は封鎖され、車はあちこちスリップしたり、あきらめて乗り捨てられていたのだった。とても町は通常運転ではない。

彼女の職場はさらに林の中にあった。

本当に本当に、出勤しないでよかったよ。真面目すぎるのも困りもんだ。。


妊娠中の具合の悪い友人

雪かきの車はくる気配が無いので、あーもうこれはしばらく出勤できないねーとご近所さんと話していたころ、妊娠中の同僚からLINEが来た。

どうやら具合が悪く、熱があるらしい。

しかしだんなさんは、勤め先にいるまま帰ってこれず、家には自分だけ。家はかなり近かった。歩いて10分くらいだったと思う。とはいえ、この雪だ、妊婦を病院だと車を出さねばならないが、車が本当に使えるのか…?

悩んでいるうちに彼女は「とりあえず家で寝る」とあきらめモードになりつつあったが、その後もっと近くに住んでいた上司に連絡をし、彼女を病院に連れて行ったようだった。

インフルだった。(こんなときに)

でもお腹の子のことも考えると、病院に行けたのはラッキーだった。彼女もだんなも家にいなくて心細かったと思う。

ようやく出勤。

陸の孤島となった長野県だったが、数日後ようやく自衛隊が入ったという風の噂を聞き、5日目あたりだったか。勤め先の軽井沢の店に出勤。道路はまだ封鎖なので、電車で出勤した。

が、フードも牛乳も届かず、ただコーヒーを出すだけだった。ショーケースには何もない。お客さんも、ほとんどいないのだけど。近辺のホテルに泊まっていた人がコーヒーを飲みに来た。高速もまだ動いておらず、開通を待つ人も。

おわりに:「ちょっとこれやばいかも」はだいぶやばいかも


日常って、意外と簡単にくずれちゃうなって思った日々でした。


だからこそ緊急事態というか「ちょっとこれやばいかも」ってなったら、コッソリ普段の思考ルーティンからは距離をおいてもいいと思う

緊急事態かどうかの判断に自信はなくとも、「ちょっとこれやばいかも」とはウッスラ思うはず

危機感があるなら、色々無理しなくていい。安全第一、自分第一。んで、助けられる人は助ける。助けてほしいときは、しっかり求める。

緊急時でも出勤せざるを得ない会社・組織・ポジションに勤めているなら、本当にその仕事でいいのか今一度考えたほうがよいかもしれない。

もちろん、全部は否定しない!

となり街に住んでいるスーパーの店長がわざわざ数時間かけて歩いて、店を開けに行ったという本当かウソか分からない武勇伝が耳にはいった。実際にスーパーはピークの15日もオープンしてたらしく、食料が無かった人はめちゃ助かったと思う。よい仕事をされたんだと思う。

ただ、その人途中で倒れてたらどうなるの?とも思う。

みんな働くの好きなのよね。でも、もうちょい休み休みいきたい


コーヒーをごちそうしてくれるとジャンプして喜びます!