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新しい働き方を手に入れる ~仕事に全力投球できなくなって見直したこと~

誰にでも、仕事に全力投球できなくなる時はくる。

COVID-19の影響が大きかった人もいるだろうし、育児が始まったり子どもに何か問題が生じたり、自分や家族が病気になったり、介護の担い手になったり。

そうすると、働き方の再構築が必要になる。

私の場合は、第一子出産後、育休をフル取得して戻ってきてからのこの一年がそのタイミングだった。社会人デビューからいつか子供を産むときに備えてとにかくスキルと年収をあげようと必死に働いてきた私。ナイスな夫との二人三脚で、家計も家事も育児も折半して問題なくやっていける…と思ったものの、実際にやってみると、いろんな壁にぶつかった。

2019年5月の職場復帰から丸1年を経て取り組んできた働き方の再構築の記録をまとめておく。

環境の変化と、自身の能力の切り分けが難しい

第1子出産を機に離職する女性は46.9%(平成30年の内閣府男女共同参画局の調査より)。減ってはいるものの、まだまだ多い。その理由は「仕事と育児との両立が大変だから」というのが一番多いらしい。

仕事に費やせる時間が減ること、自分の自由になる時間がほとんどなくなることは事前に予測できたけど、たしかに、いざ “子どもを持つサラリーマン(女性)” になってみると、予想外のことがたくさん起きた。

・仕事量が多く処理しきれない
・仕事上でのミス・見落としが増える
・労働時間の確保が困難(特に保育園に頼れない自宅保育は地獄)

時間がない、忙しいというよりも、もっときつかったのは「自分の能力が低くなったように感じる」ということだった。今までは自分の思い通りに自由に取り組めば結果が出ていたし、周りからも褒められた。だけど、子どもを産んでからは褒められることはなく、責められることばかり。自分でも思ったように成果が出せないことに戸惑っている。

子どもを産んで頭が働くなったのか? 育休を経て能力が落ちたのか? なんていろいろと考えたけど、ひと言でいえばこれは「環境が変わった」ということに尽きる。仕事に全力投球できない状況になっていることをちゃんと理解しきるのに、1年を費やしてしまった。

そこで立て直そうと思ったのだけど、ステップはこんな感じ。

1. 環境の変化を受け入れる
2. 仕事の進め方をすべて見直す
3. 周囲への説明・交渉を諦めない

シンプルだけど、結構大事だった。

1.環境の変化を受け入れる:「申し訳ない」が全ての元凶

この項目は、育児にちょっと偏った話になる。

母親というのは自分を責める状況に置かれやすい。産後ずっと「お母さんがちゃんとしないと」というメッセージはあちこちから投げかけられるし、子どもに泣かれたり癇癪を起されたり育児がうまくいかないと自分が責められているように感じる(これは私の性格もある)。それに、道を歩けば知らない人になぜか説教されたりする(金髪にすると防げるらしい)。

だから、仕事に時間を費やせなくて「申し訳ない」、うまくいかなくなっても「自分が悪い」「申し訳ない」となってしまって、すべての責任を一人で背負おうとしてしまっていたのがこの1年だった。

限界になって、ふと気づいた。本当に全部自分の責任ということでいいんだっけ? 申し訳ないと言い続けても何も解決しない。ストレスだけためて問題点から目をそらしているだけでは? と気づいた。

まずは、「申し訳ない」をいったん脇に置く。そして、起きている問題が環境のせいなのか、自分の努力でまかなえる(かつ、それを自分も望んでいる)のか、冷静に見極めて整理していった。

私の場合は、

1. 仕事量が想定より多いこと
2. 自身の強みが活かせない業務が稼働の8割であること
3. 保育園が頼れないこと(これは2020年4月~の話だけど)

あたりが結構きついのだということに気づいた。ここまで見えたら、一個一個対処していくのみ。「申し訳ない…」に溺れている状況から一歩前進した。

交渉して何とかなるものはすればいいし、強みが活かせない業務については、自分の弱みを克服して改善するか、強みが活かせる業務に切り替える作戦に出るかを選んで実行すればいい。ちなみに、私は弱みの克服に興味がないので改善はしない。それを補って余りあるくらいの結果を、別の形で出そうと決めた。

2. 仕事の進め方をすべて見直す:特にTODO管理と勤怠管理など

仕事量を処理しきれなかったりミスが増えるのは、仕事に十分時間を費やせない状況になってしまうと必然的に起こることだ。

病気なんじゃないのか、私の頭が悪すぎるのでは…と、これもまた「申し訳ない」のタネになってたけど、仕事の安定感に定評がある友人に聞いたところ、やっぱり育休明けに同じことが起きたと言っていたから、これも環境の変化による影響らしい。

朝から晩までスマホやPCに張り付いていた時と同じ管理方法ではうまくいかなくて当然。子どもの世話に120%稼働をとられる時間にたくさんメールが来て後から追いつこうにも、どんどん状況が更新されて行って把握しきれない…という状況に陥ることもある。

だから、なるべく明確に、かっちりと管理していく必要がある。

私はこの本を参考にして、GoogleスプレッドシートのTODOリストテンプレートを改造して活用するようにしてから、業務が進めやすくなった。

午前中と午後に3つずつ優先度が高いタスク、それ以外は「すき間時間にやること」「毎日の定常業務」「遊び」「その他」と分類するのだけど、私の場合は「家庭」も入れている。それぞれ、3つというのがポイント。脳の機能的に、それ以上はできないのだ。

タスクを普通に記入していったら、ぜんっぜんこのリストに収まらなくてびっくりした。そもそも、無理な量をやろうとしているってことが自覚できただけでもよかった。

このリストに収まるタスク量で成果を出せるように、努力しなければならない。ちょうど同時に読んでいたエッセンシャル思考と相まって、努力の方向性がつかめた気がする。

サラリーマンならば、上司の評価は優先事項だと思う。私の場合はそれに加えて、得意を活かして成果を出したい、今後につながるキャリアを積みたいという志向が強い。だから、それにつながることだけをやるという割り切りが必要だ。

上司が評価するポイントを抑える業務は優先的にリストに入れるし、自身の実績につながる案件の優先度が必然的に高くなる。そうやってタスク管理をしていくと、バラバラになっていた思考がまとまっていくような感じになって、仕事もスムーズに進むようになってきた。

そして、時短勤務社員なら特に、勤怠管理が超絶大事だ。不信感を抱かれやすいポイントでもあるし、上司の視点から見たら分かりやすい評価ポイントでもある。ここ、ちゃんと抑えとけばあとは落ち着いて、やるべきことをやっておけばとりあえず大丈夫だと思う。たぶん。

3. 周囲への説明・交渉を諦めない:根気強く、丁寧に

育児の大変さがなんで具体的に分からないんだろう? と、独身の頃は思っていた。産んで育ててみて分かったのは、結局「他人の家のことは分からない」ということだ。

子どもの性格がそれぞれ全く違うこと、親との相性もいろいろであることが分かった。置かれている環境もそれぞれ全く違い、夫婦の仕事の忙しさのバランスや、家事育児分担がどうなっているかも違う。実家に頼れるのかどうか、頼れるとしたらどういう形でどの程度までなのかも、すべて家庭によって異なる。だから、大変さを感じるポイントも人によって違うのだ。

つまり、困難を感じたとしても、その状況は周りには理解できないのだ。

ちゃんと声をあげて、説明して、交渉していかないといけない。もちろん、一方的に自分の立場からの話をしても誰も聞いてくれない。相手の目線に立ってみて、相手にとって理解できる形で、どうして欲しいのか、どういうことが難しくて何だったらできるのか、ひとつづつ丁寧に、諦めずに説明し、交渉することが大切だ。

怒らず、諦めず、うじうじせず、淡々と伝え続けること。

これが本当に大事。

時代をかえるスーパーウーマンにはなれないかもしれないけど、男女関係なく働けて、男女関係なく家族や自分を大事にできる社会にするために、1ミリでもいいから役に立ちたい。

しっかり、前に進めていこうと思う。

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