モーニングnote:最近「美容」が楽しい理由

10代~20代のころ、年齢を重ねた女性が美容にこだわるのを、どこか冷めた目で見ていた。どうしてそんなことにこだわるんだろう? 若くもないのに。 他にやることあるんじゃない? 暇なの?

そんな私は、長いことメイクに関して苦手意識があった。元をただせば、いつか誰かに「ブスがメイクするなんて馬鹿じゃない?まず整形すれば?」と言われたり、私が熱心に読んでいた90年代の女性誌が「一重まぶたの人は、まず二重にしてから出直してね」というスタンスだったりしたこと心の奥底で受け入れてしまっていたんだろう。アルバイトを始めてからはデパコスにも手を出したけど、コスメ売り場ではきれいな人や強そうな年配の方が堂々と買い物をしていて、肘でどかされたり舌打をされたりしているうちに怖くなり、空いている時を見計らって意を決して、こそこそと売り場に行くしかなかった。(当時はネット通販も今ほどはなかった)

「間違っているのは自分のほうで、ほかの人の言うことの方が正しいんだ」長いこと、そう信じ込んでしまっていた。だから、誰かの些細な悪口や誰かの思い込みを真に受けて「私がメイクをするのはおかしいことなんだ」と心のどこかで思い込んだまま過ごしてしまった。

20代のころなど、一時的にメイクに凝ったこともあったけど、どことなく居心地の悪さや、間違ったことをしてしまっている、という意識があったのは、そういう思い込みが心の奥底にあったからだろう。コスメを全部捨ててしまって、しばらくメイクをしていない時期もあった。

だけど最近、唐突に美容が楽しくなってきた。結婚して子どもも育てるようになった最近になって、がぜん興味がわいてきたのだ。

年齢を重ねているからこそ、スキンケアや頭皮のケアで肌の調子が変わるのも実感しやすい。それに、「美人かブスか」と他人にジャッジされる機会が無くなって、他人の目から自由になってきたのだ。“若い女性”じゃなくなってから、人生の主導権が自分の手に戻ってくる。本当に自由だ。いいことしかない。

メイク動画をみて自分でもいろいろ試すのも、とても楽しい。それにYouTubeを見ていると、とてもかわいい一重まぶたの女の子が「一重メイク」を実践して見せてくれたりもする。

美容が民主化しているなぁ、と感じた。

美人じゃなきゃしてはいけないことではない。限られた人だけに許されたものではなく、誰でもメイクを楽しんでいいのだ。

それに、最近は「美白という表現は差別的だ」という考え方も広まってきたし、プラスサイズのモデルさんも世界中に増えてきた。若いことが正しいのではない、色白が正しいのではない、痩せているのが正しいのではない。美の形はいろいろであってよく、何か一つの正解に向かって自分を否定して矯正するためにメイクや美容があるのではなくて、自分らしさをより彩るためにメイクや美容を自由に楽しんでいいのだ。

こうやって、美容の世界でいろいろな価値観がアップデートされていく様を見ていくのも楽しいし、仕事でも少しかかわっているので、美容の民主化、美の価値観アップデートに少しでも貢献していきたいものだ。

この本も、一度読んだけれど、当時は「この著者の方は美人だから…」と少し壁を作って読んでしまった。

また読み返したら、受け止め方が変わるかもしれない。


読んでくれてありがとう! ぜひ、下の♡をポチッとしていただけると、とても励みになります。noteに登録してなくても押せます。