河原の草花摘みピクニックでヴィーガンランチをいただく 10 川井美奈子 2023年10月15日 01:16 河原ピクニックで解放されてみた シェフとフラワーアーティストのユニットが、都心を離れた秘密の場所で、ピクニックのおもてなしをしてくださるという新企画re.verのパイロット版に参加させていただきました。東京の郊外でこんな穴に消えていく我々。 くだっていった下には小さな流れ、その向こうには焚き火の気配と岩山。大きな川の音もします。 みんなが揃うまで思い思いに過ごしましょうということで、まず目の前の岩山によじ登って、絶景をエンジョイ。たまたま川をシーカヤックの一行が下ってきたので手を振り合って。 何でも気の向いた草花を摘んでブーケにしてみよう、ということで、まずは河原で目を引いた鶏頭や、トラノオのような藤色の花を摘みました。 そのうち、初めは「あたりにはびこる雑草」と思って避けていたメヒシバや種が服にくっついてくる草、虫食いで穴だらけの葉などもいちいち愛おしく感じて手折るようになり、自分の変化に驚きました。 くるみが落ちていると思うのでどうぞ幾つか拾っておいて。と言われていたのですが、胡桃の殻見当たりません。青梅なら落ちてる。いや。この時期に青梅ではないはずだし、枇杷みたいにちょっと卵型で緑色のもの、これが胡桃らしい!バコッと割ったら胡桃の殻が出てきましたた。いやー、知らなかったなあ。 流れの中にハゼのような魚影を追っている人もいます。私はこんな蛇柄のおでぶの芋虫に遭遇してたじろぎました。これはどうやらコンコルドみたいな姿の黄色スズメガの幼虫のようです。 こちらは水引など水辺、影の花たち。涼しげで風情があります。草花を手元で束ねる時に、放射状に一定方向に重ねていくこと、その後花材の向きを整えることなどヒントをいただき、ちょっとブーケらしくなります。 拾い集めてあった流木コーナーにできたブーケを素朴に添えてみました。でも無造作風に素敵に置くには一工夫必要そうです。 虫食い葉やもじゃもじゃした穂物などを入れて大きくなっていったブーケは、自然に開いていた岩穴に収めてみます。 自分でまとめてみて、師匠にヒントを頂いて。 それぞれが草花と向き合うひと時。 ご夫婦で、気づいたらそれぞれお召し物とすっかりマッチした色味のブーケを作っている方もありました。 みんな、ブーケができたら流れに挿して水を補います。ブーケの道ができてきました。 出来上がったブーケを流れに預けるとととてもいい顔なのです。そして同じ河原で摘んでいるのに一つ一つのブーケに個性が出ています。 整えのケアをしながらブーケと対話が行われている模様。 お腹空いてきました。火と、食卓予定の方に視線が行きます。火の枕になっている石が温まっていて、つい暖もとります。 師匠がここで作られたカゴに、野花をあしらって特性パンにふさわしい器がライブで完成しました。 いよいよ待望の昼食です。 前菜です。レンコン餅、くるみのソース、里芋のグラタン、地キノコのマリネ、柿とサツマイモの和え物、ビーツのマリネ、全てビーガン。乳製品や動物性の出汁などがない代わりにここに生えている苔の香りを移したソース、スモークしたビネガーにマリネ、など工夫がされています。一品づつ詳しく聞きたいですが待ちきれません。これに合わせて用意いただいたナチュールのワインも頂きながらお食事開始です。 竹の先をフォーク状にしてパンを炙るなんてチャーミング。私も早速竹フォーク借りてしまいました。シェフはメインをカリッと焼いています。 メインのセロリ根餅、濃厚なシチューソース和え。黒くなるまで干した野菜のブロスにオーツミルクとオートミールの入った、とてもコクのあるシチューでした。 新鮮な生くるみを河原でがつんと割ってサーブ頂き、摘まみます。食べ慣れませんが生は湿気があってクリーミ―です。子供の時、地面の胡桃を拾ってこっそり食べた時以来です。あの時はお腹壊したらどうしようと不安だったのが思い出されます。 そこで製作したお土産。空になった胡桃にミツロウをクシャっと詰めて、こよりを芯に立てます。かわいいミツロウろうそくができました。 食事のあとは、川の流れで元気を取り戻したブーケたちを、師匠の手を借りてラッピング。衣装をつけるとまた一味違う顔つきになります。 青山フラワーマーケットから出てきたみたい?なギフトブーケになって帰途をお供します。家で花瓶に挿して楽しみながら、川辺で頂いたヴィーガンメニューは一日づつレシピが共有されてきました。一部ローカルでスペシャルな材料などは真似できませんが、他はちょっと頑張れば自分なりに再現できそうなところが楽しいです。 #クリエイターフェス #ウェルビーイングのために #ヴィーガンを楽しむ #草花で遊ぶ 10 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート