「三田につるの屋があった頃。」展示見学記

画像1 東京、三田の慶應大の通称旧図書館で行われていた企画展に最終日に行ってきました。多くの学生と先生方に親しまれたつるの屋なので、いかにも恩師とゼミ生の再会というグループに写真撮影を頼まれながら入場しました。
画像2 旧図書館は今や「福沢諭吉記念 慶應義塾史展示館」という堅い名称の施設。幾ら皆んな親しんだとはいえ、なぜ一軒の居酒屋さんを主役に企画展を?と思っていました。
画像3 一昨年の開館時に勇んで行った第一回企画展は「慶応四年五月十五日ー福澤諭吉ウェーランド経済書講述の日」という堅〜いタイトルでしたから。
画像4 で、会場はいきなり懐かしい現物がたくさん展示されています。
画像5 ゼミが6限だったので、夜の帳が下りてそのままつるの屋に流れてきたこと数回。ゼミでの先輩との議論の続きがこちらに来ていたはずですが、どんな議論だったのかもはや。お馴染みのお鍋セットですが、こんな寄せ鍋ではなくいつも通う自分達は湯豆腐だった、と、私と違う年代に学園祭準備の期間はほぼ毎夜通っていたという主人が詳しく語りました。
画像6 膨大なペナントが貼られた壁は名物です。ゼミ、研究室、体育会やサークルの何年卒と入ったものが多い。サッと似顔絵を描いてそこにあったソースで色をさした色紙など、また写真たちもあり実にたくさんの先生や学生の教室外の場なのがよくわかりました。
画像7 学生による三田界隈のお店マップ。作成年が在学時代と近く、再開発でかなり街と店の顔ぶれが変わったので懐かしい資料です。
画像8 すごい再現力のジオラマ。ジュークボックスがあって、後輩に好きな曲、リクエストして来い、と言っていた、とか、水槽はいつまで金魚がいた、とか昔語りが始まりました。
画像9 三田で授業のあったグループばかりでなく主に別の場所で活動していた体育会やサークルにも愛用されていたのに改めて気づきました。
画像10 100年ほど前の三田通り。福澤先生は三田に住まい、自ら銭湯を出していて、生徒にも三田で蕎麦屋をする者はないか、と実業を勧めていたそうです。似顔絵はおやじさん。創業の親父さん、おばさんの人柄で皆さん引き寄せられていたようです。近年は息子さんがひきつがれていましたが、入っていたビルの老朽化に伴う取り壊しで退出。取り壊しで閉店という張り紙を見かけていて、友人とお邪魔し店主とお名残会話ができました。そんな、思い出話や写真が10/10まで募集されています。昭和から令和初期の我々の体験が更にアーカイブになります。
画像11 常設展を一巡りしました。権威を嫌い、一つの考えに大勢が追従するのも諌め、自分の言葉で考えや概念を説いた福澤先生の直筆の書や、様々の資料が無料展示されています。

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