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大学生になりました

2022年の一大決心

届いた入学許可書

今年最大の出来事は、55歳にして大学生になったこと。
昼間はフルタイムパートタイマーのため、通信教育を選択した。
2か月前の6月11日待ちに待った入学許可書が届いた。

迷いに迷って、4月(前期)入学の第4回申し込みに
ギリギリ間に合った。
最後はエイヤッという勢い。

まだ、不安はある。
卒業できるのか。でも、きっと無駄にはならない。
自分自身に言い聞かせる。

なぜ、今になって

合格できなかった現役時代

自由な校風もあって、高校生活は楽しかった。
勉強もそれなりにしていた。
「3年間楽しんで、1年みっちり勉強して
4年間大学生活を送る。」そんな算段をしていた。

現役時代はとうとう「合格通知」を
手に入れることができなかった。
卒業式も終わった3月、予備校のパンフレットを
食卓に出した時の父の言葉

「女の子が浪人までして大学に行ってどうする」

当時は「男女雇用機会均等法」直前の80年代後半
父の嘆きは最もだけど、大学に行くなら短大よりも4年制
高校卒業してすぐ就職なんて考えてもみないモラトリアム

お互いに頑固な父娘だ。一晩で結論が出るわけでもない。
行きたかったのは文学部だった。
「将来、何をするつもりだ」
「来年は必ず合格できるのか」
返す言葉がなかった。
何が何でも浪人したければ
それなりの説得をすればよかったのだ。
道を曲げてしまった。後悔はしていない。

浪人させないという考えを譲らない父
かといって、今から就職できる当てもないし
入学できるところもない…ない?
あった。
専門学校ならまだ間に合う。
というわけで、ビジネス系の専門学校に
とりあえず入学して、来年また大学を受けようと考えた。
「仮面浪人」の道を選んだ。

とりあえず、親に学費を出してもらうのだから
従うしかないと思った。
(今なら、奨学金という手もあると思いつくが当時は無知だった。)

通ってみたら、専門学校も面白いところで
勉強しただけの成果が「資格試験合格」という
カタチになって表れる。
はまってしまった。
今までに勉強したことのない
「簿記」「タイプライター」「ワープロ」「珠算」
次々と取りまくった。
大学への道よりも上級の資格を取ることに費やしていた。
特に「簿記」は日商2級、全経1級を1年のうちに取得していた。

2年後、卒業して社会人となり
「大学に行きたい」という思いよりも
現実の仕事に役立つ資格へと興味は向いていった。

諦めていない思い

仕事で必要な資格を取ったり、興味のある資格を取ったり
「資格オタク」と家族がいうほど勉強することが好きだ。
しかし、父はそんな私を見て後悔していると母が言う。
「そんなに勉強が好きなら浪人させればよかった。」と

実は、専門学校に行く決断をしたときに 
密かに心に決めていた。
就職して、「自分のお金で大学に行こう」
18歳の春にそう誓っていた。

最大のチャンスがやってきた

時は流れ、2020年春
長男が大学生になった。
コロナ禍でオンライン授業がメインとなった。
「これじゃ通信教育と変わらない」
と彼が言った。
何かが心にひっかかった。

「就職して、結婚して、出産のために退職して、
パートを始めて」どこにでもあるような人生。
でも、今の人生捨てたもんじゃない。
はずだった。

日常が日常でなくなった時、なにかがはじけた。
大学行きたかったんだよね。
今じゃない、今じゃないと引き延ばしてきたけど
歳をとって、認知症になったり、思考力が落ちてからでは
遅いのではないか。

思っているだけで行動しなければ、いつまでたっても
行きたかったなぁで終わってしまう。
自分の道は自分で切り開かなければ。いくつになっても。

子供2人、義務教育が終わる。
夫も還暦を過ぎ、第2の職場を楽しんでいる。
今が人生最大のチャンスだ!!

色々な手続きを乗り越えて

広がる選択肢

コロナ禍でオンライン授業の息子が
「これじゃ、通信教育だ」と嘆く。

フルタイムパートタイマーの私は
「大学に行きたい」と決断したものの、
昼間の時間の通学は難しい。
かといって、夜間も時間の制約は変わらない。
「通信教育」だ!と閃いた。

どの大学に入学をするのか。何を学ぶのか。
興味が尽きない。パンフレットを取り寄せる。

これからの時代は、プログラミング?
栄養士的なものにも興味がある。

でも、ずっと心に引っかかっていたのは
あの時行かれなかった「文学部」
直接、職業に結びつかなくて学ぶことをあきらめてしまった。

何がしたかったのだろう。
日本語を伝える仕事がしたかった。
日本の良さを海外に伝える仕事がしたかった。
各地方の言葉を残す仕事がしたかった。
ただ、本をじっくり読みたかった。

一番やりたかったことをやろう。
法政大学通信教育学部文学部日本文学科に決めた。

願書作成

2022年2月21日 娘の人生初の試練
第一志望の高校の受験日
精一杯の実力が発揮できるよう全力でサポートする。
自分のことはひとまず置いておく。
そして、3月1日 桜が咲いた。

娘の卒業式、入学式と慌ただしい中
自分の受験準備を始める
願書を取り寄せ、書類を準備する。

難関は提出課題
「課題図書を読んで、論評を書く」
論評?書いたことない。なにそれ?
感想文とはちがうの?
?マークが頭の中を飛び跳ねる。
課題図書はどの本も好んで手に取る本とは毛色が違う。

眠い目をこすり、昼食後の時間を使い
課題図書を読むところから始めた。
読み終わる頃には、4月の入学式が終わっていた。
通信教育学部のいいところは
4月入学のために課題提出の締め切りが4回あるところだ。

最後の4回目に狙いを定める。
後期入学でもいいのだが、
伸ばした分、ずるずるしてしまいそうだった。
学習期間が短くなってしまうのを承知で前期入学を目指す。

何とかゴールデンウィークを使って論評を書きあげた。
志望動機も書き、提出書類を整えた。

編入書類

専門学校で学んだ時間を単位として認定することができる。
卒業証明書と成績証明書を入手しなければならない。
ここで、立ち止まってしまった。
卒業した学校がなくなっていた。

卒業したのはビジネススクール。
「簿記」や「秘書検定」「ワープロ」などの資格取得がメインとなる。
2000年を超えて、プログラミングの専門学校へと学ぶ内容が
変わったと同時に学校名も変わっていた。
卒業証明書などは新しい学校で発行してくれるそうなので、
手続きをする。定額小為替を用意したり、返信用封筒を用意したり
一つ一つに手間がかかる。返送されるまでに1,2週間かかるそうだ。

何とか、すべての書類を整えて発送することができた。
基本、通信教育ならば落ちることはない。  らしい。
でも、論評や志望動機を提出しているので万が一のことも
あるかもしれない。
原稿用紙の使い方は昭和と平成・令和で変わっていないだろうか。
気になって仕方がない。
選考結果通知の発送日が待ち遠しい。

はじめのいっぽ

2022年6月11日 とうとう届いた。
選考結果通知 「入学許可証」と「学生証」が入っている。
3年次に編入することができた。
いきなり、3年生。
なんだか、ムズムズする。

来週にはテキストなどが届くそう。
さて、どんな学生生活になるのか。
仕事との両立はどうなるのか。
卒業論文は書けるのか。
不安に思うことはたくさんあるけれど、
歩きださなければ、壁にもぶつかれない。

今、社会人である強みを生かす。
就活をしなくていい。
自分のペースで進められる。
慌てず、急がず、腐らず、確実に前に進む。

まずは、一歩。
自分の力で踏み出した。


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