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未来をサバイバルして欲しい大切な人に贈る『言語化の魔力』(樺沢紫苑著)

悩みを抱える人と悩める人を支える全ての人におすすめしたい本。

私は、10代から20代初めまでに親を突然亡くした親しい友人に寄り添う機会が4度あった。事故や病気など4人の事情はそれぞれ違うけれど、毎日のように共に行動する友人の環境の激変をどう支えたらいいのか迷い続けた中高大の10年。

今では、そういう巡り合わせもあると思えるけれど、当時は自分の近しい友達ばかり何故、もしかして自分が悪いのかと思い詰めたりもした。そんな10代の私に刺さったままの小さな冷たい氷のような棘をこの本が溶かしてくれた。

筆者は「悩みは解決しなくていい、解消すればいい」と言う。

悩みの原因を無くすことは出来なくても、悩みは解消できる。本書には、視座を転換し、言語化し、行動を起こすことで悩みを解消する具体的な方法が多数あげられている。自分で言語化する余裕のない人でも、口にするだけで、悩みを解消できる言葉の数々もまとめられている。

何をしても友人の悩みを解決することができない無力感に苛まれていた10代の私にこの本があったらよかったのに。

亡くなった人を取り戻すことは出来ないのだから、解決など誰もできなくて当然なのだ。あの頃の私に「ただ寄り添って悩みを共に解消する」だけで十分だと伝えてあげたい。

自分の悩みにも大切な誰かの悩みにも効く本。10代の私に手渡すかわりに中学生、高校生の子ども達に手渡す。

自分のことも誰かのこともいつか、いい感じに支えられるように。


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