【雑文】カラスよ、もう一歩賢くあれ
都会に住む人間にとって、ある意味一番身近な動物はカラスかもしれない。
犬や猫を飼っているひとならそちらの方が接する機会は多いだろうけれど、ペットを飼っていないひとからすると、日常で見かける動物というのはそれほど多くないだろう。
都会であれば、街中で上を見上げれば電柱や電線に停まるカラスをすぐに見つけることができるし、路上でゴミを漁っている姿を目にすることも多い。
地域のゴミ出しの際には屋根付きの集積場に出すという家庭もあるだろうし、そうでなくてもカラスよけのネットを掛けるというルールになっているところもあるだろう。
そうした措置を取らないとすぐにカラスがゴミを荒らしてしまうからだ。
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カラスは頭が良い生き物だと言われている。
一説によれば人間の3~4歳くらいの知能を持っているそうで、他の鳥とはまるで違った高度に知性的な行動をとるのだという。
以前動画か何かで見たことがあるのだけれど、森から取ってきた木の実を食べるために、車道に木の実を落として、通りかかる車に踏ませて殻を割らせたりするらしい。
他にも、道具を作って木の洞の中の虫を吊り上げるようなことをしていたり、人間の顔を判別して、戦闘能力の低そうな子供やお年寄りを狙って食料を奪い取ったりするのだとか。
あるいは、地域によって鳴き声にもそれぞれ違った特徴があるそうで、それは鳴き声によってコミュニケーションをとるような高度な社会性を持っているからだという話もあるのだとか。
確かにそう言われてみれば、犬や猫や、動物園で見るような他の動物とはちょっと違っているような気がする。
僕も実家にいたころは犬を飼っていたけれど、ウチにいた犬を見ていても、高度な思考を持っているようにはとても思えなかった。
そう言われればカラスは特別なのだという風に思える。
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だがふと思う。カラスは本当に賢いのだろうか。
現代の日本において、カラスは基本的に忌避される生き物だ。
直接的に駆除されるようなことは今のところ無いと思うけれど、ゴミが荒らされないようにカラス避けのネットを張られるし、電柱に巣を作れば取り壊されることもある。
それはなぜかといえば、持ち前の知性をもって人間に危害を加えているからだ。
一方で犬や猫は、基本的に保護されている。
ペットとして寵愛を受けるし、あるいは野良犬野良猫がいたとしても保健所が保護している。引き取り手が見つからない場合はそのまま殺処分されてしまうこともあるけれど、どこかに貰われて行って幸せに暮らすというケースも大いにありえる。
それは何故かと考えれば、人間に害をなさないからだ。
カラスと犬猫と、どちらが生きやすいかと考えれば、断然犬猫の方なのではないかと思う。
野生の世界では、生存することがなによりも重視される。
だとすれば、生物としてより賢い生き方をしているのは、どちらなのか。
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もしカラスがもう少し賢くなれば、ゴミを荒らすことも、人間を襲うこともなくなるだろう。
ゴミ袋から綺麗に目的のものだけを抜き取り、周りに散らかすこともない。もしかすると鳩のように、人間に媚びることで餌を得ようとするカラスも出てくるかもしれない。
そうすれば今のように忌避されることもなく、ゴミ出しのネットを貼られて餌にありつけないということもなくなるだろう。
より生きやすいように事故を変革していくことこそが知性だと僕は思う。
カラスにもう一歩だけ進んだ知性が芽生えれば、カラスにとっても人間にとってもwin-winの関係が築けるようになるのかもしれない。
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