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【雑文】お金持ちになるジンクス

 
 ようやくというかなんというか、10万円給付金の申請用紙が数日前に届いていた。
 さっそく記入して送付したのだけれど、給付金が振り込まれるのはまだまだ先のことになりそうだ。
 
 お金はいくらあっても困ることはない。
 度を越した大富豪ともなれば違う感覚を持つのかもしれないけれど、少なくとも僕のような一般庶民にとっては、お金というものはなんとしても手に入れたいものだ。
 
 とはいえ実際に給付金が振り込まれれば、そんなあぶく銭はすぐさま生活のための細々したことに使われてしまうだろうということは想像に難くない。
 
 何も考えずに好きなだけお金を使えるようになれればそれが理想なのだろうけれど、それが不可能なのだとすれば、お金が手元に入る前のあれこれ使い道を妄想して心躍らせているような、そんな時間がもしかしたら一番幸せなのかもしれない。

 ところで「お金持ちに財布を貰うと自分もお金持ちになる」というジンクスをご存じだろうか。
 ものによってはプレゼントではなく、「買ってもらうと~」となっているものもあるけれど、大差はないだろう。
 
 軽く調べてみた限りでは、風水というかおまじないというか、そんなようなもので金運がアップするのだという。
 もちろんただのジンクスなので、僕自身は本気で信じているわけではないけれど、割と広く世の中に知られる言説らしい。
 
 ただふと思うのは、これを単なるジンクス、気休めだと切り捨ててしまうのは勿体ないのではないか、ということだ。
 広く伝えられる言葉なのだから、何らかの根拠や元ネタがあるかもしれない。もしかするとこの言説には、単なるジンクス以上の何かがあるのかもしれないという、そんな気がするのだ。
 
 例えばこんなケースを考えてみる。
 
 ビジネスに成功してお金持ちになったような人物は、少なからず人を見抜く目を持っているだろう。
 そんな成功者に気に入られて財布をプレゼントされる(買ってもらう)ような人には、きっと何らかの見どころがあるはずだ。
 
 そういう人は、自らビジネスを始めても成功する確率が高い。あるいは企業に勤めても、より出世しやすい。
 そして結果的に、彼もお金持ちになる。
 
 だから「お金持ちに財布を貰う人は、自分もお金持ちになる」のだ。
 
 こうして格言的に使われていた文句がやがて風水に取り込まれ、元の由来が忘れ去られた結果、ジンクスとして定着したのかもしれない。
 
 ここで書いたのはただの僕の妄想だけれど、もしかすると本当にこんな流れがあったとしても不思議ではない。

 ところで、このジンクスを使って、新たなビジネスが生み出せそうだなという気がする。
 
 例えば日本でも有数のお金持ちであるところの前澤友作氏が、自身の使っていた財布をプレゼントするという企画を立ち上げれば相当数の応募が見込めそうだ。
 もしくは「前澤氏から財布を買ってもらえる権利」をオークションにかければ、一体いくらで落札されるだろうか。
 
 もし僕が前澤氏だったら、年に一度か半年に一度か、一定期間ごとに財布を出品するだろうと思う。
 
 あるいは、自分が元締めになってもいいかもしれない。
 
 まず各地の富豪たちと交渉し、財布を買い取ってくる。
 そうして集めた財布に、本人のものであるという証明のための顔写真と、名前肩書年収といった簡単なプロフィールを記したカードをつけて、売りに出す。
 
 本当にやってみたら案外繁盛するんじゃないかと思うのだけれど、どうだろう。
 きっとそこには、ビジネス版ブルセラとでも形容される地獄の光景が広がるのだろうけれど。
 
 そんなわけで、僕にビジネスの才能を感じる大富豪の方が居ましたら、是非財布のプレゼントをお待ちしています。
 

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