そうだ選挙に行こう
このたびのコロナ禍による困窮に関して、政府から様々な救済策が検討されているらしい。
僕はネットでしかニュースを見ないので間違っているかもしれないけれど、流し見た感じでは、検討されている案がことごとく頓珍漢な内容なのだという。
いわく、旅行券を発行しようだとか高速道路を無料化しようだとか、あるいは和牛券を配ろう、だとか。
ツイッターに流れてくる色々な人の意見を見ていると、国民のことが全く見えていないとか、庶民感覚が欠如しているとか、あるいはもっとストレートに政治家はバカだ、とか、そんな過激な言葉が多数並んでいる。
だがそんな意見を見かけるたびに僕は、本当にそうだろうか? という気がしてしまう。
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政治家が国民の方を向いていない(と感じる)のは、結局のところ、その状態でも大してデメリットがないからなのだと思う。政治家にとっての最大のデメリットとは、つまるところ選挙で落とされることだろう。選挙に落ちればただの人とは大野伴穆の名言だが、まさにその通りで、政治家は選挙で勝つことを最大目的に行動しているのだと思う(その人が、政治家であり続けたいと思っている場合の話だが)。
だが何をしても選挙で落とされることは無いと思っているのなら、政治家は国民の方を向くことは無い。
現状で握っている利権団体や支持者からの団体票だけで当選ができると確信しているのなら、選挙はただ数年おきにやってくる季節のイベントに過ぎず、デメリットにはならない。
自分にとって不利益が起こらないのなら、人間は際限なく堕落していく生き物だと思う。政治家のすべてがそうだとは言わないが、そんな側面も少なからずあるのではないかと思う。
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たしか昔哲学を勉強していたときにニーチェのルサンチマンの文脈で読んだのだと思うが、人は対立する立場の相手を無意識に見下しているのだという。
例えば一般市民と権力者という対立構造で言えば、一般市民は自らを清貧だと思い相手を悪徳だと決めつける。権力側は自らを高潔だと信じ、一般人を愚かな存在だと思い込むのだという。
今の状況を見ていると、その論もあながち間違っていないのではないか、という気がしてしまう。権力側が僕たち一般人のことをどう考えているのかは知りようが無いが、僕たち一般人は、権力者はきっと不正を働いているに違いないと、無条件に思い込んでは無いだろうか。
多分政治家たちは僕たち一般人よりもよっぽど賢いのだろう。だからもし政治家が僕たち国民のことを見てくれないと感じるのだとしたら、きっと政治家たちはそんなことは全部わかったうえで、あえて僕たちのことを無視しているのだと思う。
この現状をどうにかしたいと思うのなら、きっと僕たちに出来ることは、選挙に行くこと以外にない。
日本の国政選挙の投票率は、たしか50%くらいで推移していたと記憶している。
もし残りの50%の人間がすべて誰か特定の人に投票を行えば、どんな人間であれ当選させることは十分に可能だろう。
そうして現職の政治家たちに危機感を与えていく以外に、僕たちに出来ることは殆どない。
そうだ、選挙に行こう。
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