みなかみの天空の城には魯山人がいた
「フロントガラス凍結してるよ、今季初だよーーーー!」
夫のテンションに「豊洲の初競りかよ」と突っ込みながら、あっという間に年の瀬!
いつもわたしとわたしの周りの人を巻き込みながら、町のことや生活のことを赤裸々にそれは恥ずかしげもなく書いているが、
そろそろすっぽんぽんに近づいてきたので、取材に出てみることにした。
個人的に面白いと思ってずっと密かに追っていた「あの人」を!
ジャカジャカジャン!
羽山さん(別名KINGさん)KINGさんという名前のほうが知られているかもしれない。しかしこの別名の由来は聞き忘れた。井上公造が先輩だったら怒られちゃうわ!
KING家の暮らし
なんとKINGさん、まさしくみなかみの自然と共に生きる生活を目指して暮らしている。
移住者の私からすると、「自然と共に暮らす」「自給自足」「昔からの知恵」とかちょっと心トキメク~!く~!そんな理由で今回お邪魔しようと決意した。
そんなKINGさんの生活はというと、夏はアウトドアガイドをメインに、自然養鶏家、自伐型林業、狩猟など多岐にわたる。
コンセントなら8ポート。
ドラゴンボールの野沢雅子。
レディーガガにも負けない七変化である。
「自給自足」的なライフスタイルをめざして
KINGさんが自給自足スタイルに移行していったきっかけは東日本大震災とお子さんの誕生。いつどうなるかわからないこの世界から家族を守るための「生きる力」を身に着けるべく、「自給自足」的なライフスタイルに必要な技術を習得し始めたそう。
そういえば、みなかみの人「生きる力」半端ない
ちょっと話はそれるけれど、東京から移住してきて結構びっくりしたのは、みなかみの人って都心に比べて割と何でも自分でできちゃうこと。修理や農業なんかはもちろん、除雪も漬物作るのも自分でやれちゃうってすごい。
そんなことを考えていたら、移住してからの出来事が甦ってきた。
寝室にコウモリが出たあの日。ぐうぐう眠る子を置き去りにしてほふく前進で部屋を出たわたしとは裏腹に、夫がコウモリを捕獲したときに感じたあの気持ち。
役場の2階に小鳥が入ってきたあの日。しげる係長が躊躇なく小鳥に近付いて一瞬で捕まえたかと思ったら、「もう間違えるなよ」と一声かけて外に放った。小学校の避難訓練さながらにデスク下に避難をしていたわたしは思った。
「やっぱりこういう時に大事なことは、なるべく下に隠れることなんだな」
そこじゃあない
「みなかみに住む人って生きる力すご!逃げないのかっこいい!」
※渋谷の日サロじゃなくて、農家の日焼けが眩しい。その姿を見ると思わず愛のメモリーをハミングしちゃうと噂の「しげる係長」については以前の記事をご参照ください。
話は戻って、KINGさんのお家にいざ取材に。
「コッコー!」
綺麗な高音!米良さんがもののけ姫歌ってるのかしら、とキョロキョロしていると
「あ、うちのにわとりです」
「あ、うちの妻です。」風にKINGさんに紹介されたのは約70羽のにわとり様。8ポートの一つ、養鶏家。
最強のパートナー「にわとり」との出会い
KINGさんが養鶏家になったのは5年前。
にわとりはおいしいたまごを毎日産んでくれる。たまごのレシピは無限大で栄養素が豊富で完全栄養食品と言われるほど。日持ちもするので、災害時の非常食としてもばっちり。雑草が大好物で庭の除草もしてくれる。もちろん鶏肉としても食せるし、鶏糞は畑の肥料として使える。
こりゃ最強のパートナーだぜ!と思ったKINGさん、「にわとりは触れない!」という奥さまを説得し4羽から始まった養鶏。いまや約70羽になるそう。ピクミンだったらボス倒せる数!
「こだわりのたまご」のはなし
驚いたのがにわとりたちのエサ。
お米 & 米ぬか
数々の米コンテストでグランプリを獲得したみなかみ町を代表する極上ブランド米「本多義光米」のくず米を使用。
おから
みなかみ産大豆からお豆腐を手作りする際にでたおからを再利用。
お水
大峰山水系の沢から引いた天然水。
みなかみ産の作物等にその他国産の素材を自家ブレンドしたエサを食べている。なんと多くのものが地産地消。
・・・にわとり界の魯山人!
大自然でラピュタパン食べます?
ガブっといくと卵がミヨ~ンとなるあのラピュタパン。ラピュタ見ながら、みんな5ジュルリ以上はしたよね!?
それを大自然を眺めておいしい空気の中、産みたての卵をのせてもらっていただいちゃいました。まさにジブリ。
にわとり界の魯山人、つまり魯山鶏様が産んだ卵はお米を食べているので淡い黄色。そして卵臭さが全く無くて優しい味わい。自然の恵みを感じながらいただきました。
ちなみに、櫻井一家はKINGさん宅でラピュタ体験したけれど、
なんとアウトドアガイドであり、養鶏家であるKINGさんならではの
カヌー体験×ラピュタパン
という最高な癒しツアーもやっているそう!
あ、ちなみに自然と触れ合ったりしながら自分の内面と向き合う体験を「リトリート」というのよ!ぜひ友達に「リトリートしに行かない?」言ってみって!
え~かっこいい~て言われるか、え?それバルト三国のあたり?って聞き返されちゃうはず!
お土産に持たせてもらった卵を見つめて考えた。
この優しい味わいを生かすには・・・!ジャムおじさんことわたくし櫻井、考えて、早朝4時からクリームパン作りました。
自分なりにみなかみを楽しむ
8ポート!とか言っておきながらたまごの話で終わってしまったけれど、卒論レベルの長さになるのでまとめに入る・・・!いきなり!
東京に住んでいたわたしからすると、都会って便利。もう当たり前なこと言わないでよ!って感じだけど便利。
都会には完成品がたくさんあって、一から苦労しなくても欲しいものが手に入る。
それはそれで便利だけれど、みなかみに移住して楽しめるようになったことは「自分で作る」こと。野菜も、キムチも、たくあんも、干し柿だって。
みなかみの人が当たり前のようにやっている暮らしや営みを知って、教えてもらって、それが自分の暮らしに溶け込んでいく。
みなかみの楽しみ方の幅は広い!どっぷりでも、足の親指だけでも、自分に合った浸かり方で自然と暮らしを楽しもう!と気付いた1日。
KINGさんのファンになった方はこちらから詳しいお話見れます~
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◎文・写真:あい
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