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みなかみ町の自然と私たちの暮らしの水

はじめまして、こんにちは。
「元」気な稲「穂」と書いて「もとほ」と言います。新米の季節にワクワクが止まりません。

以前は都内の物流会社で、海外からの商品の輸入業務に携わっていました。虫もつかないほど消毒された野菜や果物、安価に大量につくられた衣服、そんなモノが絶えず忙しく行き交う日々。
コロナをきっかけに、このままでいいのだろうか?がこのままではだめだ!という決断に変わりました。

そんなとき幸運にも、みなかみ町で自然を楽しみ大切にしながら暮らすユニークな方たちと出会うことに。
わたしもそんな自然と関わりながら、楽しみながら担える役割を見つけられるよう、みなかみ町での旅と実験がはじまったばかりです。


谷川俊太郎さんの詩『朝』のなかに、こんな文章があります。

 “…ヴィヴァルディは中空に調和の幻想を画き
遠い朝露に始まる水は蛇口からほとばしり
新しいタオルは幼い日の母の肌ざわり…“

「遠い朝露に始まる水」という言葉にはっとさせられました。普段使っている水道水がどこから来たのか考えたこともなかったからです。蛇口をひねれば水が出ることが当たり前になってしまっていたのでしょう。
最初の一滴が流れる場所はどんなところなのでしょうか?


今回の記事執筆に際し、参考図書として頂いた『みなかみ町の自然とくらし』の始めのページでその答えに出会うことになります。

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関東の水道水


わたしが暮らしていた千葉、東京などを含めた関東で使われている水道水について

大部分は利根川を源流とする水系に支えられています。その最初(源流)の一滴は、みなかみ町にある大水上山の雪解け水なのだそうです。
一滴の雪解け水が集まり小さな流れとなり、他の流れと合流して利根川は大きな流れとなります。群馬県から関東地域を下り、千葉県の銚子市より太平洋へと流れます。1都5県(群馬県、栃木県、茨城県、埼玉県、東京都)約3055万人の暮らしに欠かせない水を供給しているのです。

みなかみ町湯原地区の水道水 


わたしが今暮らしているみなかみ町湯原地区の水道水について

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「利根川上流の水と谷川連峰の雪解け水のブレンド水だよ」と教えてくれたのは、みなかみ町役場で水道行政に長く携わってこられた職員の方でした。流域図で確認してみると、大水上山から奥利根湖・洞元湖・藤原湖へと流れる利根川と、朝日岳・谷川岳からの雪解け水が集まる湯檜曽川が合流し、湯原地区へと流れていることが分かります。

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日頃なにげなく使っている水は、一滴の雪解け水から始まり、長い時間と距離の旅をして私たちのもとへ届けられていたのです。
自然との繋がりを知ることで、普段の水の使い方も変わってきたように感じます。
水を出しっぱなしにしない、河川や海になるべく負荷のかからない洗剤を選ぶなど。


みなかみ町では地域の環境を町の方がごく自然に大切にされています。河原や山道に落ちているゴミをボランティアで拾われていたり、公共の場所を地域のみなさんで清掃されていたり。
町の人の手で大切に守られ続けることで、豊かな環境が保たれているのだと実感しています。


そして「水」の流れはみなかみ町だけで完結するものではなく、上流から下流、下流から上流の循環のなかにあります。上流域に暮らすみなかみ町の方だけではなく、町を訪れる方や下流域の方たちとも一緒に育み合うことがもっともっと広まると良いなぁと思います。


小さな気づきを大切に、わたしも町の一員として、みなかみ町の魅力を町内外の方に発信していければと。
これからどんな出会いがあるのか、今からとても楽しみです。

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◎文・写真:もとほ

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