存在の唐突な出現ー山田尚子についてのメモー
アニメの良さを魂が宿る瞬間を見れることと述べる山田尚子の演出は、キャラクターに魂や命を与えているというよりかは実在感というか存在感を与えているように見える。特に『リズと青い鳥』はそれに専念した作品である。少女たちの振る舞う仕草や癖のようなもの、息遣いや瞬きを詳細にそして繊細に作画によって記述していきその積み重ねによって存在感を生んでいく。作画の積み重ねだけでなく、望遠あるいは手持ち風にレンズ処理される撮影効果、そして音響の効果も加味し、少女たちの存在感は強調されていく。もち