末期
紛いの光にあやつられ
ほころぶときさえ騙される
花さえそうだというのなら
ひとなどたやすくそうだろう
さあ あと もういちど
おまえがため息をついたなら
一体どうしてやろうかな?
ほおづえつく窓の外はようやっと
くすんだ青が雲のすきまから破片のように
骨が行く手をはばむまで
きつくその身をさぐっても
「生きている」それだけが
気に障るほどこだまする
髪が光にとかされて
横顔に時が粉と散る
うつくしくて、うつくしくて
うつくしくて、うつくしくて
さあ あと もういちど
おまえがため息をついたなら
一体どうしてやろうかな?
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