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劇伴@リーディングステージ「東京クロノス 渋谷隔絶」(1)

タイムリーなうちに…いや、もう一週間経ちましたが!先週2024年3月30日・31日に渋谷・伝承ホールで上演された舞台について。


リーディング・ステージ『東京クロノス 渋谷隔絶』

こちらに音楽(と場面転換ME)担当で参加しておりました。
立ち上げ以来高頻度でお世話になっているアメツチさん主催の朗読劇です。今回は小山恭平さんの著の小説が原作で、原作自体もゲームの前日譚的位置づけ。

実は、年始のプレス発表を見て「おー原作モノ!」「まぁ音楽はゲームのサントラを使うんかな」と完全に他人事で傍観していて、2月になって安藤さん@プロデューサーから「お願いするかも」→「!?」…という流れでした。

実際の制作開始は脚本読んで演出の山田さんと打ち合わせして少し後、2月25日の深夜から。いずれ書きますが、「作曲スピードには自信がある」×「休みがあるかも曖昧な働き方の研究職」なので、締め切りまでから逆算して実作業開始日を決めて、それまでは頭のなかで脚本を「放牧」して膨らませています。劇伴は劇ありきなんで、まずは脚本の解釈を第一にしています。

このTwitter(X)で流した告知動画は上演日直前の録画ですが(日付ミスあり…)、制作初日にこんな感じで最初にテーマ曲(『Hope Blooms(=「希望は咲く」)』と命名)をピアノを弾きながら作っていました。

ポイントは(移動ド表記で)シレファミ~という弱起付きフレーズですね。ちょっと不安定さのある「シレファ」の3音を頭に持ってきたとき、「あ、これだ!」と。和音進行はシーンのアレンジによって微妙に変えていますが、VIm add9 - IM7 on V - IVM7 - IIIm7…というルートの順次下降進行を少し捻ったものが基本で、メロディーと微妙にテンション関係が生じるものを意図的に選んでいます。これをPCソフトに打ち込んで、アレンジを詰めていきます。

こちらが実際の劇中アレンジのひとつです(本番はこの曲のロング版を使用)。0:40-0:52あたりの引っ張る転調と、1:40-ビオラでメロディーをなぞるあたりが特にお気に入りです。

ちなみに今回、劇中3シーン、冒頭・休憩明け、カーテンコール退場時の5パターンの『Hope Blooms』を作りました。
どうしても演劇の音楽ってタイミングが変わるんで静的な「BGM」になりがちですが、特に朗読劇は演者も合わせやすいんで、映画やドラマのフィルムスコアリングのようなダイナミックさも結構出せます。手間はかかりますけど、映像畑出身の自負もあるので拘りですかね。
いつも僕はこんな動的な「劇伴」を送り付けて、「…次のあの音のタイミングであのセリフ…入るか…おおお」と冷や冷やドキドキしながら本番観劇しております(笑)。
だいたい盛り上がるシーンは音楽も長くなるんで、ある程度ズレてもハマるように構成を試行錯誤しているのですが、うまくハマると「おー!」っと盛り上がるので感動しますね。


なんかnoteって制限ないから、いくらでも長くなるな…。
他の曲についてはまた後日、(2)で紹介します。

もし何か聞きたいことがある方はコメント等で気軽にどうぞ。Twitterとかでも(気付いたものには)反応します。

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