「女らしく」「男らしく」とは?性別的役割という問題。
・この記事はFATE GEARアルバム「The Sky Prison」のネタバレを含みます。
・筆者は専門家ではありません。授業で習ったくらいの知識ですので最新の論文などとズレがあるかもしれません。個人的見解も含めての文章になりますのでご了承ください。
3月3日は女の子のお祭り、5月5日は男の子のお祭り。そう聞いたときにモヤっとしていた子供は私だけであろうか。そうじゃないと思いたい。
ひな祭りはひな人形を、端午の節句は兜飾りなんかを贈るのが一般的だと思うが、兜のほうが欲しかったなー。という話は置いといて。
The Sky Prisonに出てくる主人公は2人います。
一人はお金持ちの上流階級で生まれ育ち、ひたすら「女らしく」と義母から教育を叩き込まれたアン。
もう一人は「家族と仕事のために男性として育てられた」メアリ。
メアリの方に焦点を当てて見てみましょう。
仕事をして家族を養うというのは、ここ日本においては男性の役割という意識がまだまだ強いです。
しかし、「私(俺)が仕事して家族を養う!敵と戦って家族を守る!」という逆の位置にいる女性がメアリです。
守られるより守りたい派。
そういう女性も実際いると思います。逆に、守るより守られたい派の男性もいると思います。
そういう人たちに対して、おかしいとか言うのは違うんじゃないでしょうか。男のくせに弱っちい、とか。
本人たちがそれで良好な関係を気づけているのなら良いんじゃないでしょうか?
そういうモヤモヤをぶつけて作り上げた最強の女性キャラがメアリです。
メアリの旦那であるラカム船長に視点を変えてみます。
彼は誰に対しても平等で、偏見のない人間です。だから嫁に対しても
「女らしくしろ」とかいいません。
かといって一方的に嫁に守られているかというとそうではなく、
お互いがお互いを守る。あくまで立場は男女平等に、といったところでしょうか。
冒頭でアンの乗船を断るところがありますね。
「女は昔から船に乗せられない決まり」と言っていますが、
本当はこの古いしきたりにも疑問を感じていたのかも知れません。
ただ、環境的に危ないから襲われても責任が取れないよ、と1度断っただけであって…。
女性は身体的に不利なのか?
女性は男性よりも身体が小さく力が弱い、というのはあくまで統計的な話であって、背が高い女性もいるし、背が小さい男性もいる。
女性でも鍛えてれば力は強いし、男性でも体質的に力が弱い人もいるでしょう。
それは別におかしなことではないし、その人達の個性です。
メアリはアンよりは体格は大きいものの、船長や他の空賊よりは小さい。
たぶん「男性」としては部下からチビって陰口言われてると思う(笑)
ただ幼少より鍛えた格闘術と武器の扱いは男性を凌いでおり、軍隊で活躍した後に今のポストに落ち着く、といった設定です。(この辺はモデルとなったメアリ・リードの史実に基づいている部分もあります。)
こういう最強の嫁だから、例外的に船長は船に乗せているわけです。
ところで、最近は自衛隊や消防士なんかでも男性と同じ訓練を受けて活躍する女性が増えてきていますね。
私が思うに、「強い、弱い」だったり、「男らしい、女らしい」の基準を作り出しているのって、環境と教育だと思います。
元記事を失念してしまいましたが、「私は女の子だから消防士になれない」と言っていた女の子のもとに女性消防士から応援のメッセージが寄せられた話があったと思います。
これがもし「女の子だから無理」なんていう環境だったらどうなっていたでしょう…
アンに視点を変えてみましょう。
彼女は、踊りが出来て教養があってオシャレな女の子がお嫁に行けると思ってました。お嫁に行くのが女の子の役割、とも考えていた。(料理は壊滅的に下手だけど)
でもメアリに出会ってその常識が崩れることになる。彼女は常識に縛られず、男性も女性も超越している存在だったから。
そしてエンディングでアンは未来に向かって動いて行きます。
彼女が作っていく未来はどんなものなのでしょうか?
私は別に女性に対して強くなれと言っているのではありません。
昔ながらの女性らしさを追求したい人も多いと思います。
ただ先述の消防士の話のように、女の子だからといって職業などの可能性を潰して欲しくはないと思います。
それは本人も周りも意識しなくてはならない。
色んな人に少しでも性別的役割の問題について知ってもらえたらなと良いな~といったところです。
また気が向いたらこんな感じの記事書いていきます。お読みいただきありがとうございました。
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