文系大学生のNAIST情報科学領域合格体験記



私は、2024年度(2025年度入学)NAIST情報科学領域に合格しました。受験中、先輩方の体験記にかなり助けて頂いたので今後NAISTを受験する方々の助けになればと思いこの記事を書くに至りました。

NAISTとは

NAIST(奈良先端科学技術大学院大学)は奈良県に位置する国立大学院大学です。大学院大学とは学部を持たない大学の指し、他にもJAISTやOISTなどがあります。
NAISTの情報科学領域は書類(50)、数学(30)、英語(30)、小論文(90)の計200点の試験を行なっています。例年、140点後半程度を取れば合格するとされています。また合格者のTOEIC平均は730点、中央値が750点と言われています。
https://www.naist.jp/
https://www.youtube.com/watch?v=oTHVqOt4o9g&t=346s

事前情報

・バックグラウンド
私は某国立大学の経済学部に所属しており、B3までは情報系とは無縁の学生生活を送っていました。しかし友人の勧めからプログラミングまたAIに興味を持つようになりました。その後、B3の夏頃に情報系の民間インターンに参加、自分の能力の低さでは社会に貢献できないことを痛感させられました。そこで大学院に進学することを決意し、研究室訪問を行いました。この段階では"研究とは何か"や"自分が何をしたいか"については全く定まっておらず、教授の方々にいくつも指摘いただいたことを覚えています

・GPA 3.5/4.5

対策期間

  • B3の8月~B4の1月
    どこの大学院に進学しようか彷徨っている期間。

  • B4の1月~B4の4月
    指定教科書の2冊を分からないながら1周しつつ、研究計画を練っている期間(インターンでボツになったけど)。NAISTのインターンに参加することを決意し、志望研究室の教授にコンタクトをとる。

  • B4の4月~B4の5月
    NAISTのインターンに3週間ほど参加。他の記事でも言及されていますが、非情報系の方は必ず参加した方が良いと思います。ここで研究計画のほとんどを書き終える。

  • B4の5月~本番まで
    指定教科書をそれぞれ2周し&問題を1chapterごとに5問解いた。

対策

数学

strangの線形代数とwangの解析をメインで使っていました。全体の復習を行うためにマセマを読んだ程度。特にstrangの線形代数は内容が本質的で難しいですが、youtubeに上がっている講義動画で全て理解できるようにしました。
自分の際は簡単な証明問題しか出ませんでしたが,SUVやジョルダン標準系等も出題されるようです…

英語

TOIECについては直前に追い込みをかけ、ギリギリで提出しました。※真似しないでください

  • 750 (B2の12月)

  • 720 (B4の4月) <- 直前にも関わらずかなり低く、落ち込みました

  • 800 (B4の5月)

TOEICを800点代に乗せることをイメージしながら参考書を用いて学習しました。特にリスニングは練習次第ですぐに上がるので、リスニングを重点的に対策した方がよいかも?
使用した参考書:

小論文

先も述べたようにインターンに参加してやっと読めるレベルのものになりました。研究計画を書いたことがない方はインターンに参加することをお勧めします。
ちなみに提出した小論文には重大な誤植があり、みなさんは見直しを行ってから出してください。面接の際に恥をかいてしまいます。

面接

小論文の内容を3分で説明するというものは頻出なのでかなり対策しました。
特に、「なぜこの研究をしたいのか」や「何を明らかにしたいのか」が直観的にわかるような説明を心がけました。また、就活が終わった友達3人に練習を手伝ってもらうことで、専門外の先生方にも理解していただける内容になったと思います。
面接の質問は全て研究に関するものでした。
失敗として聞かれた質問が想定以上に専門的であり、焦りから1つしか答えられませんでした。

結果

  • NAISTに合格しました。

  • JAISTに合格しました。

  • NAISTの点数開示の結果が175/200でした。

終わりに

NAISTは文系だからと言って合格できないような試験内容ではありません。しかし、理系の方々よりも専門性という観点では大きなハンデがあることも事実です。なので理系の方々が取り扱わない内容、自身の専門を活かした研究計画を書くことが重要であると思います。これからNAISTを受験される方々の健闘を祈ります!


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