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優しい悪魔。

全く!なんで貴女はそうなん?

母親の呆れ声と
成績&顔面偏差値共々優秀な姉の優しいまなざしが
わたしの劣等生魂に焦りの追い込みをかける。

呆れられてる事は十十承知のすけ。

コミュ障をいいことに
わたしにはもっと合う仕事があるんじゃないか?
って高い理想を描きながら
仕事をしているから幾ら謙虚ぶってみても
周りにはお見通しなのだろう。

わたしのそういうところ・・・。



そういうところも含め愛してくれた存在が
大好きで大嫌いだった当時。


数年後
わたしのメンタルをズタズタにする
”優しい悪魔”は消えていた。

いや、
悪魔と決めていたのはわたし自身。



今更ながら改心して嘆いてみても還らない。

”人の命とはそういうもの”


ああすれば良かったかも?
こうすれば良かったかも?

かもかもストーリーを作りあげたところで
自分を処方するお薬になるだろうか?

迷い子ならぬ迷い人は
救急隊でいっとき救われて
翌日は奈落の底にいる迷い子は
また別の救急隊にいっとき救われるという
ストーリーが繰り広げられている。
病んでる時ってそういうもの。


”人の気持ちもそういうもの”


そして今
炊事場から香る帆立バターの幸せな
香りと共に小さな”優しい悪魔”に名前を呼ばれ
小説家気取りのわたしが我に還る。


#ショートショート
#短編小説
#優しい悪魔









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