VTuberの安全のための記事的なモノ ver.1.0

前提:この文章の目的

 この文章は「セキュリティを学習する」的な目的ではなく、「何をすれば(比較的)安全にVTuber活動ができるか」を視点に書いています。当然、VTuber活動に絞った範囲が軸になるので、これを全てやればセキュリティは安心、という類のものではありません。
 また、あくまで個人〜少数のチームでの運用が前提になるので、企業などに所属してVTuber活動をするのなら、所属組織の指示を優先すべきです。その点、ご留意ください。

 前提として、いわゆる「リアルバレ」「身バレ」的なモノはVTuberにとって、避けた方が良いことが多い事態です。
 そこから派生して、リアルでの嫌がらせとか、ストーカーとかに発展することもあります。そうなったら目も当てられません。(オンライン嫌がらせを軽視するつもりはありませんが、この文章では話がブレても仕方ないので、あまり言及しません)

 もちろん信頼できると判断した人にリアルの事情を伝えるのは(慎重にやれば)問題ないでしょうが、少なくとも不特定多数に知られることは、大抵はリスクのほうが大きいです。

本題:安全を維持するためのTips

1:アカウントは分割しましょう

 ここでは安全のため、各種アカウントを「リアル用」と「VTuber活動用」に分割して運用する話を書きます。
 たとえば、SNS等のアカウントは、ある程度分離している人が多いと思います。そもそも活動に便利だからです。
 ただ、ここに書くのはもうちょっと保守的な部分、つまり「不便だけど、より安全に活動するため」の方法になります。

1.1:パソコンOSのアカウント

 大抵の人はパソコン(WindowsかMac)で配信をしているかと思います。スマホアプリでやってる人は、ちょっと色々とハードルが上がるので、一旦読み飛ばしてください。(画面そのものが映り込む使い方はないと思うので)

 Windowsにしろ、Macにしろ、パソコンのOSには「ユーザーを複数作れる」機能があります。
 これを使用すると、パソコン自体に関する一部の設定は共有されますが、基本的に、ほとんどの設定はユーザーごとに分割されます。

 「VTuber配信用と普段使い(プライベート)のパソコンは分けてるよ」というのであれば不要ですが、両用するのであれば、VTuber活動用のOS(パソコン使用時)のアカウントと、普段使いのアカウントは分けましょう。
 つまりVTuber活動用のPCユーザーを追加して、VTuberとしての活動をするときは、常にそちらを使うようにするのです。

 これは、ユーザーの切り替えや、(今までやっていなかった場合に)環境の設定をやり直す等、手間がかかる部分はあります。ぶっちゃけ、面倒だとは思います。

 それでも尚、やったほうが良い理由は。

 ……想像してみてください。

 PC画面を使った配信をしていて、不意にブラウザが映り込み、リアルのメールアドレスの受信メールが見えてしまうとか、LINE等のメッセージ通知画面が映り込み、家族や友人等からの連絡が配信に映り込んでしまう、とか。

 怖いでしょ? 怖いですよね? 私はめっちゃ怖いと思います。(なので、厳密にはアカウントを分離するだけでなく、メールやLINE等のアプリで、リアル側のアカウントにログインしないのは必須です)

 特にリアルタイム配信だと、一度、何かしら重要な情報が映り込んじゃった場合、完全な挽回は不可能です。もちろん誰も記録してない可能性もありますが、そんな幸運に期待するのは無理があります。
 そもそも、リアルの仕事のメールなんて晒しちゃった日には、VTuberとしての活動とか以前に、リアルの勤務先からの懲罰すら覚悟する必要があるのです。

 ね?分離したほうが良いでしょ?

1.2:メールアカウント

 メールアカウントもわけましょう。何かしらのユーザー登録などではメールアドレスも使うこともありますし、活動に関してのメールのやり取りが発生することも考えられます。

 前段の1.1で、OSのアカウントについて書きましたが、特にWindowsはMicrosoftのアカウントと紐づける形になってるので、OSのアカウントを作るにもメールアドレスは必要になります(頑張ればなしでも作れなくはないですが、色々面倒なので割愛します)

 あとまあ、単純に、リアル関係者にVTuber活動の誤爆メールを送ったりとかもありますし、たとえば「コラボはするけど、リアルの名前を知られるのはちょっと・・・」みたいなこともあると思いますので。



2:お出かけ投稿は慎重に

 リアルが絡みやすい部分で、外出等の話や、写真の投稿などがあります。

 たとえば夜、寝る前ぐらいに「今日、東京タワーに行って~」なんて配信をする程度であれば、よほど細かい時間帯や、あるいは特徴的な「何か」が起きたことなどを話さなければ、身バレ等につながる情報は得られないでしょう。

 ですが、SNS等で「東京タワーなう」のように写真をアップしたら、偶然でも近くにそれを見ている人が居たら、バレる可能性があります。

 この辺は何となく理解できると思いますので、ここでは「何に気を付けると、どう安全が確保できるか」ということを書きます。


2.1:アクシデントの情報は気を付ける

 書きたくなる気持ちはわかるのですが、電車など公共交通機関の遅延のようなトラブルや、停電・火災などの災害、珍しい天気などの話は、現在居る・住んでいるだいたいの地域が特定されることにつながります。

 一発で詳細なリアル住所がバレることは少ないかもしれませんが、「電車とまった、動かない」みたいなことをSNSにアップすると、現在地などが特定される可能性はあるでしょう。

 この辺は積み重ねで、たとえば「●●市あたりに住んでいて、だいたい▲▲時ごろに帰りは■■線の電車で帰ってる」ぐらいに特定される可能性はあるので、情報を出すかどうかは慎重にすべきでしょう。


2.2:写真等の出すタイミング

 おいしい食べ物とか、きれいな景色とか、SNSにアップしたいことはあります。というか、私もめっちゃしてます。
 理想を言えばそういった「リアルの部分」は一切出さないのが安全ではありますが、それじゃつまらない、と感じる人も多いでしょう。

 なので、せめてリスクを軽減するため、「投稿する時間をズラす」だけでも、比較的安全が確保できます。撮影した時間が多少バレても、その時間にそこに居て周囲をしっかり見てた、みたいな人が偶然見ない限り、身バレのリスクを回避できるからです。

 尚、ここで気を付けないといけないのは、

  • 風景(自然物・人工物ともに)は場所の特定につながる

  • レストランやカフェ等の料理も、知ってる人はあっさり気が付く

 この2点、重要です。

 風景に関しては、地名が明確に書いてある「交通案内の看板」だけでなく、「店舗などの看板にある名前」「周囲の山の形」「電信柱の広告」「映り込んでる公共交通機関」など、様々な要素で、場所を類推することができます。
 今はGoogle Mapなんて便利なモノもあるので、案外あっさり発見されるリスクは常にあります。

 レストランやカフェはゼロから探すと難易度は高いですが、そもそも、その店に通いなれてる人なら「あ、これはあの店のメニューだ」なんて気が付いたりするので、これまたタイミングを考慮する必要はあります。

(もうちょっと踏み込むと「飲食店の関係者が自分の投稿を見たら、頼んだメニューとかでバレる」というのはあり得て、これは時間をおいても回避し辛い部分もあります。それでも「●●を注文して3分前に帰った人」と「2時間ぐらい前に●●を注文した人」では記憶の解像度や印象が全然違うと思うので、それだけ安全になります)

 とりあえず、景色や飲食店での食事が映ってる写真をアップしたら、その場所は特定されると思ったほうが良いです。なので、撮影してから投稿するまでに、いわば「離れる時間」を置くことで、安全を確保するわけです。



ここまでVer.1.0で書きました。
追記があれば改版します。



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