運動会についての子どもからの意見にたしかになーと思った話

もうすぐ私の勤めている小学校の運動会です。
コロナ禍ということもあり、徒競走やダンスなど、学年に分かれて連日賑やかしく練習しています。

すると通級に通っている4年生のAくんという子が私のところにきました。

A君
先生聞いて欲しいことがある。
ぼくは運動会の意味がわからない。普段の運動を見せたいなら、授業参観を見せればいいのになんでわざわざ運動会をやるのかな?ぼく、やりたくない。


学校行事だからねぇ。運動が苦手な子も得意な子もいるし、嫌だなと思う気持ちはわかるけど自分なりに頑張ったところをお父さんお母さんに見せたり、頑張ったら頑張った分達成感もあるんじゃない?

と私がありきたりの返事をすると、、

A君
いやそれはわかるよ。ぼくが言いたいのは、選べないってことが理不尽なんだよ。
本当に子どものためなら、選ぶ自由があるはずでしょ。種目も選べないし、みんな同じ踊り同じ格好させられて、先生本当に子ども自身が楽しめると思う?


なるほどたしかに選べたら楽しいかもね。高校生や大学生になったらそういう行事もあると思うよ。

A君
なんで小学生はだめなの?


、、、。

私はたしかに!その通りだな〜と感心してしまいました。ダンスも、踊っている自分達が楽しいというより、見せる事がメインのダンスが多く、どの学年も集団美を狙いにしている振り付けばかり、徒競走も速い子は見せ場があるけど、足の遅い子は憂鬱な競技だと思います。

子ども達が楽しめる競技というより大人目線の競技と言われても反論の余地なし。親や先生など大人のための行事でしかないとA君はいうのです。卒業式などの儀式的行事はある程度の形がきまった行事の意味はあるとは思いますが、学校行事自体があらかじめ形が決まったもの多いことは否めません。

しかもなぜ小学生は?と言われても的確な答えは見つかりませんてした。楽しむことだけが行事の意味ではないとしても、子どもの意見を取り上げたり、子どもが自ら考える余地がもう少しあってもしかるべきなのかもしれません。

Aくんいい事いうね!わたしが小学校の頃と変わってないもんね。もう少し変わっても良いのかもしれないね。Aくんの意見先生達にも伝えておくね!

私は内心にやりとしてしまいました。

行事だから決められたものだからではなく、なんか変と感じる気持ち。

そしてその考えを臆さず、相談しにきてくれるA君と一緒に学べる事が素直に嬉しくなりました。

通級に来ている子はどの子も個性的。能力色々デコボコがあったり、生きづらさも抱えています。

それでもそれだからこそ私はこの仕事が楽しいのです。一筋縄じやいかない子ども達。

定型発達の子どもは大人の意図を汲んで子どもらしく演じているのだなぁとつくづく思います。
通級の子達は空気を読んで子どもらしさを演じません。

本当に面白い子ども達です。野原の草花が全く違うように本当はみな子ども達は個性的。
でも学校では、はみ出さないよう演じているのです。

あえてはみ出してしまう子達、はみ出さずにはいられない子たちにすごく惹かれます。それはなんだか子ども達から自然を感じるからなのかもしれません。

曲がったキュウリ的なかんじ!?
真っ直ぐよりもなぜか美味しく感じる。自然な個性。

やっぱり何年たってもこの仕事飽きません。


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