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マーダーミステリーで「ピーク・エンドの法則」は成り立つか?

こんにちは。minです。
一応、これまでマーダーミステリーゲームとしては、「黒と白の狭間に」と「赤の導線」の2作を制作しました。

これまでの私がやってきたマーダーミステリーの作り方は、「これやりたい!(もしくは、「これ、プレイヤーにやらせたい!」)」から始まり、「やりたいこと」を効果的にできそうな世界観、キャラクター、物語をその後考えていくという手法でした。
ですので、私のゲーム制作方法は、多分、効率的ではないのだろうなと考えています。

私はこれまでゲームデザインに関する理論とかを理解して作ってきたわけではないので、この観点はゲーム制作に使えるのかなぁ?的な話題提起(まではいかないと思うけど)をつらつらと話してみようと思います。
創作論関連の情報を全て網羅しているわけではないので、既出の話題であればすみません。

面白い、あるいは印象深いマーダーミステリーを作るには?

制作者がかなり頭を悩ませるポイントだと思います。
物語や作品を、面白くあるいは印象深くするためにはどうすれば良いかというのは、さんざん議論されてきたことだと思います。
魅力的なキャラクター、意外性のある物語展開、特殊なギミック、バランスの良いゲーム性等々。
今回はプレイヤーの心理面の観点から「ピーク・エンドの法則」を考えてみたいと思います。

「ピーク・エンドの法則」とは(※引用)

「ピーク・エンドの法則」とは、「人はある出来事に対し、感情が最も高まったとき(ピーク)の印象と、最後の印象(エンド)だけで全体的な印象を判断する」という法則です。
(1999年、心理学・行動経済学者のダニエル・カーネマン氏によって提唱)

遊園地や人気の飲食店では、順番が来るまで長時間並ぶ必要があります。しかし、実際にアトラクションや食事を楽しめる時間はわずか10分程度しかありません。
しかし、ピークとエンドの印象しか記憶に残らないため、最終的に抱くのは「楽しかった」「美味しかった」といった前向きな感情です。
その結果、もう一度行列に並んででも足を運びたくなるといった効果が生まれます。
※「一般社団法人 日本経営心理士協会」HP 経営心理学用語集より引用

マーダーミステリーにおける「ピーク・エンドの法則」

マーダーミステリーの各作品における「ピーク」とは、ゲーム中でプレイヤーの感情が最も高まったときだと定義してみます。
プレイヤーがどのキャラクターを担当したかによって、それぞれのプレイヤーが感じるピークのタイミングは異なるかもしれません。
犯人投票時、アクションフェーズ、物語が大きく動く場面、自分のキャラクターにとって意外だけど重要な情報が出た時、キャラクターとしての大きな判断を迫られた時等々。
この時、プレイヤーが良い意味でなるべく大きく感情が動かされると、効果的な「ピーク」となると考えています。
ただ、マーダーミステリーは本質的にプレイヤーにプレッシャーや刺激を与え続けるゲームですので、他のゲームでも頻繁にみられるやり方を踏襲しただけでは、プレイヤーは刺激慣れしている可能性があります。
プレイヤーにとって予想以上、あるいは意外性に富んだ刺激をどのような方法で与えるかというのが、制作者の腕の見せ所かと思います。

次に「エンド」です。
おそらくほとんどのマーダーミステリーにとってはエンディングの部分になるかと思います。
もちろん、マーダーミステリーは「物語」である以上、制作者がどのような「物語の結末」を望むのかというのが一番大事だとは思います。
ですがあえて、プレイヤーが好ましいと考える「エンド」は何か?ということを考えてみます。
正直、プレイヤーの好みにも依るところが大きいので、この方向性の「エンド」が一番良い!とまでは言い切れませんが、プレイヤーの納得感を大切にすれば良いのではないかと思います。
ゲームをプレイしている間、プレイヤーはキャラクターとして、物語の中の物事に対して様々な働きかけをし、成功も失敗もしてきました。
その働きかけを反映したエンディングであること(マルチエンディングを含む)が一種の納得感につながるのではと考えています。
また、エンディングが1つしかなくても、プレイヤーの働きかけに報いるような仕組みがあれば、プレイヤーの評価が高まるのかなと考えています。

最後に

「面白い、あるいは印象深いマーダーミステリーにを作るには」ということを「ピーク・エンドの法則」の観点から考えてみました。
人の感じ方・考え方はそれぞれですので、上記の話題があまり共感できないという方もいるかと思います。
それにもちろん、マーダーミステリーを面白くするための大事な要素はこの他にもたくさんあると思います。
また思いついたら何かを書いてみようと思います。

マーダーミステリーのシナリオがかなり増えてきた現在、少しでも印象に残る作品作りの参考になれば幸いです。


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