見出し画像

春の白山比咩神社へ/金沢旅行記④

△謎の山、白山

日本三大霊山というと
富士山、立山、白山のことらしい。(wikipedia調べ)

富士山はもちろん、立山もアルペンルートなどでよく聞く山だ。

ただ、白山というのはどうも聞き馴染みがない。
自分が知らないだけで、実はとても有名な山なんだろうか。
そう思い、いろいろ調べてみる。

どうやら白山とは石川と岐阜、福井に跨るのことで
登山のベースキャンプ(と言ったら語弊があるだろうか)
の役割を担っていたのが白山比咩神社ということらしい。

歴史は古く、少なくとも奈良時代から続く、由緒ある霊山だそうだ。

これは一目見てみたい。
そう思い、金沢旅行の日程に白山比咩神社を組み込んだ。

石川、福井、岐阜の3県にわたり高くそびえる白山は、古くから霊山信仰の聖地として仰がれてきました。ふもとに暮らす人々や遥かに秀麗な山容を望む平野部の人々にとって、白山は聖域であり、生活に不可欠な“命の水”を供給してくれる神々の座でした。

やがて山への信仰は、登拝という形に変化し、山頂に至る登山道が開かれました。加賀(石川県)の登拝の拠点として御鎮座二千百年を越える当社は、霊峰白山を御神体とする全国白山神社の総本宮です。

http://www.shirayama.or.jp/hakusan/index.html
白山信仰と白山比咩神社について
白山比咩神社HPより引用

△北陸鉄道 野町駅

バスを降りると長閑な住宅街が広がっていた。

あまりにも静かで、金沢にいることを忘れてしまいそうになる。

北陸鉄道 野町駅
閑散とした駅前

ロータリーはガランとしていて、バス以外の出入りはない。
絢爛豪華な金沢駅とは対照的だ。

人気のない駅舎に入ると、胸がホッとする空気に包まれる。
レトロな純喫茶に行ったときのような感覚だ。

目的地の鶴来までは30分ほど。
鶴来と書いてツルギと読むらしい。

小説家の高田崇史氏曰く、
鶴来→ツルギ→、で関連の地名ではないかとのこと。
金沢の芋洗い伝説といい、
鉱物資源との関わりが深い土地なのかもしれない。

乗客はほとんどいない

電車はゆっくりと金沢の町を離れていく。
徐々に建物が少なくなり、遠くに山脈が見渡せる様に。
あの山のどれかが白山なのだろうか。

△劔の町へ

鶴来駅はこじんまりとした駅舎だった。

神社は3kmほど離れている。
バスもあるにはあるが、本数が少ない。

夕方には小松空港から東京に帰る予定のため
あまり時間的な余裕もない。
歩いていこう。

春の陽気も心地いいし、悪くない判断だろう。

一級河川の手取川沿い、両側をに挟まれた町だ
平日の朝
用水路の水音だけが聞こえる
加賀一の宮駅舎跡
白山比咩神社
すぐ近くにある。
2009年までは鶴来駅からここまで電車が来ていたそうだ。

△菊の女神

鶴来駅から歩いて30分。
白山比咩神社と彫られた石柱が見えてきた。
近くの駐車場には車がちらほら。
平日といえど参拝客は多いようだ。

白山比咩神社参道

神社は丘の上にある。
木々に囲まれたうっすら暗い参道が続く。
4月と言えど暑くなっていたのでありがたい

巨大なスギ
白山比咩神社 本殿

参道を登りきった先に本殿。
この神社に祀られているのは菊理媛尊という女神だ。
ククリヒメ、と読むらしい。

お参りした後に御朱印をいただく。

黄泉の国との境界で対峙するふたりの前に登場するのが菊理媛尊で、伊弉諾尊・伊弉冉尊二神の仲裁をし、その後、天照大御神(あまてらすおおみかみ)や月読尊(つくよみのみこと)、須佐之男尊(すさのおのみこと)が生れます。

白山比咩神社では、菊理媛尊とともに伊弉諾尊・伊弉冉尊も祭神として祀られています。菊理媛の「くくり」は「括る」にもつながり、現在は「和合の神」「縁結びの神」としても崇敬を受けています。

http://www.shirayama.or.jp/hakusan/god.html
白山比咩神社HPより引用

△雪国の春は空高く

参拝を終え、鶴来駅方面へ引き返す。
満開のと青空が気持ちいい。

見上げていると白い点のようなものが空を漂っている。
目を凝らしてみるとパラグライダーのようだ。

ずっと空を見上げていると
今日が平日だということを忘れてしまいそうになる。

獅子吼高原から飛んできたであろうパラグライダー
安久涛の渕付近から見た手取川と一の宮大橋

坂道を下り、安久涛の渕に。

現在は丘の上にある白山比咩神社だが、
元は手取川沿いのこの場所に鎮座していたのだという。

手取川は、古名を石川といったそうだ。

△古社とお好み焼き

ふたたび坂道を上がり、今度は金劔宮を目指す。
かつては劔宮と呼ばれたこの神社、
鶴来の地名の由来なのだそうだ。

金劔宮
若竹のお好み焼き

「こういうのでいいんだよ、こういうので」

お好み焼きを食べながら、思わず呟やいた。

鶴来駅前の若竹は、お好み焼きで有名な店だ。
評判の通り、美味い。

気取った様子がない、落ち着いた雰囲気の店内。
値段も東京じゃ考えられないほどリーズナブルだった。

△加賀百万石

犀川大橋からの眺め

電車で金沢に戻り、ホテルで荷物を回収。
金沢駅からバスで小松空港へ向かう。

車窓を眺めながら、3日間の滞在中に行った場所のことを思い返す。

桜舞う庭園に、巨大な城郭
多くの文化人が愛した山間の温泉郷
古くからの信仰が続く土地。

どこに行っても豊かさを感じる、そんな場所だった。
加賀百万石という言葉を身をもって理解できた気がする。

とはいえ片山津温泉湯涌温泉など、行きたい場所はまだまだある。
今度はいつ来れるだろうか。

小松空港からの眺め

この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?