春の白山比咩神社へ/金沢旅行記④
△謎の山、白山
日本三大霊山というと
富士山、立山、白山のことらしい。(wikipedia調べ)
富士山はもちろん、立山もアルペンルートなどでよく聞く山だ。
ただ、白山というのはどうも聞き馴染みがない。
自分が知らないだけで、実はとても有名な山なんだろうか。
そう思い、いろいろ調べてみる。
どうやら白山とは石川と岐阜、福井に跨る山のことで
登山のベースキャンプ(と言ったら語弊があるだろうか)
の役割を担っていたのが白山比咩神社ということらしい。
歴史は古く、少なくとも奈良時代から続く、由緒ある霊山だそうだ。
これは一目見てみたい。
そう思い、金沢旅行の日程に白山比咩神社を組み込んだ。
△北陸鉄道 野町駅
バスを降りると長閑な住宅街が広がっていた。
あまりにも静かで、金沢にいることを忘れてしまいそうになる。
ロータリーはガランとしていて、バス以外の出入りはない。
絢爛豪華な金沢駅とは対照的だ。
人気のない駅舎に入ると、胸がホッとする空気に包まれる。
レトロな純喫茶に行ったときのような感覚だ。
目的地の鶴来までは30分ほど。
鶴来と書いてツルギと読むらしい。
小説家の高田崇史氏曰く、
鶴来→ツルギ→劔、で鉄関連の地名ではないかとのこと。
金沢の芋洗い伝説といい、
鉱物資源との関わりが深い土地なのかもしれない。
電車はゆっくりと金沢の町を離れていく。
徐々に建物が少なくなり、遠くに山脈が見渡せる様に。
あの山のどれかが白山なのだろうか。
△劔の町へ
鶴来駅はこじんまりとした駅舎だった。
神社は3kmほど離れている。
バスもあるにはあるが、本数が少ない。
夕方には小松空港から東京に帰る予定のため
あまり時間的な余裕もない。
歩いていこう。
春の陽気も心地いいし、悪くない判断だろう。
△菊の女神
鶴来駅から歩いて30分。
白山比咩神社と彫られた石柱が見えてきた。
近くの駐車場には車がちらほら。
平日といえど参拝客は多いようだ。
神社は丘の上にある。
木々に囲まれたうっすら暗い参道が続く。
4月と言えど暑くなっていたのでありがたい
参道を登りきった先に本殿。
この神社に祀られているのは菊理媛尊という女神だ。
ククリヒメ、と読むらしい。
お参りした後に御朱印をいただく。
△雪国の春は空高く
参拝を終え、鶴来駅方面へ引き返す。
満開の桜と青空が気持ちいい。
見上げていると白い点のようなものが空を漂っている。
目を凝らしてみるとパラグライダーのようだ。
ずっと空を見上げていると
今日が平日だということを忘れてしまいそうになる。
坂道を下り、安久涛の渕に。
現在は丘の上にある白山比咩神社だが、
元は手取川沿いのこの場所に鎮座していたのだという。
手取川は、古名を石川といったそうだ。
△古社とお好み焼き
ふたたび坂道を上がり、今度は金劔宮を目指す。
かつては劔宮と呼ばれたこの神社、
鶴来の地名の由来なのだそうだ。
「こういうのでいいんだよ、こういうので」
お好み焼きを食べながら、思わず呟やいた。
鶴来駅前の若竹は、お好み焼きで有名な店だ。
評判の通り、美味い。
気取った様子がない、落ち着いた雰囲気の店内。
値段も東京じゃ考えられないほどリーズナブルだった。
△加賀百万石
電車で金沢に戻り、ホテルで荷物を回収。
金沢駅からバスで小松空港へ向かう。
車窓を眺めながら、3日間の滞在中に行った場所のことを思い返す。
桜舞う庭園に、巨大な城郭。
多くの文化人が愛した山間の温泉郷。
古くからの信仰が続く土地。
どこに行っても豊かさを感じる、そんな場所だった。
加賀百万石という言葉を身をもって理解できた気がする。
とはいえ片山津温泉や湯涌温泉など、行きたい場所はまだまだある。
今度はいつ来れるだろうか。
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