4年間、寝袋で寝てみた
新型コロナになって1年くらいたった頃、仕事で感染症対応に忙殺されて人と会うことも憚られる風潮だった事から、休みの日もすっかり出不精になっていました。
あの頃は、日常生活でのワクワクも無く、職場から帰宅後にYouTubeを見て現実逃避する毎日を送っていたのは、私だけでは無かったことと思います。
そんな中、子どもの引っ越しにあわせて自分も家財を断捨離し始めたタイミングでキャンプ動画を見て何を考えたのか、ふと「寝袋生活をしてみよう」と思い立ち、Amazonでとりあえず安いやつを購入。
ベッドを解体し広々とした部屋で、夜は寝袋に包まり寝る生活を始めて4年近くが経過したので、今回はその感想を書いてみたいと思います。
(※寝袋が大分くたびれているので、今回、所有品の写真が少なめです。)
歴代寝袋
歴代とは大袈裟な表現で、実際には2種類しか使ったことはないですが、もし私のように「寝袋生活をやってみよう」という奇特な方がいらっしゃいましたら、購入・使用体験を参考にしていただければ幸いです。
結論から申し上げると、3,000円くらいの寝袋を買って、陽気の良い季節に自宅でキャンプごっこをやるのが費用対効果としてはベストのような気がします。
最初の寝袋(KOOLSEN 寝袋 封筒型)
最初は「まあ、部屋の中で寝るのだから、安いやつで充分だろう」と完全にタカを括っていました。
今にして思えば、「なぜ気温に応じたスペックの違う寝袋が販売されているか」を考えれば自ずとオチが分かることなのですが。
初寝袋となった「KOOLSEN 寝袋 封筒型」という製品は、もうAmazonの商品ページで見つけることができなくなってしまっていますが、スペックやデザイン的には下のものが私の持っている寝袋と酷似しています。
特徴としては、いわゆる「封筒型」という長方形のタイプで、下の写真みたいな感じに手が出せるような仕様になっています。
これは一見、「寝転がりながらスマホとか見るのに便利じゃん」と思いますよね?ところが、部屋の中で使っているのに手の部分から冷気が侵入してくるくる(笑)
首周りもそうですが、冷気の入口になるような形状のものは、寝袋の基本機能が低いので避けた方が良いです(教訓)。
結局、この手が出せる部分はせっかく穴が開いているにも関わらず、自分で手縫いでチクチクと塞ぐこととなり、「アイディア商品の脆弱性にやられる情弱」という情けない寝袋デビューに繋がったのでした。
また、3,000円クラスのものは生地がペラペラなので冬場はこれだけでは無理です。
くれぐれも「オールシーズンOK」みたいな文句をまに受けないようにご注意ください。
なお、ある程度気温が良い時用ということで割り切って使用する分には、3,000円台の安いものでも良いと思いますし、私もジップが下まで開放できるので夏場との使い分けという意味では重宝しました。
ふたつ目の寝袋(Coleman タスマンキャンピングマミー L-15)
次に我が家にお迎えしたのが、アウトドアしていない人でもブランド名は聞いたことがあるというキャンプ用品メーカーの雄、Colemanの「タスマンキャンピングマミー L-15」。
なぜか辛子明太子を食べたくなるような情熱のレッドが、いかにも暖かそうですね。(実際に暖かいんですけど)
最初のやつが「封筒型」で、これはその名のとおり「マミー型」というツタンカーメン王の棺みたく足先にかけて狭くなっているタイプになります。
寝袋と体の密着度が高くなるためマミー型の方が暖かくて良さそうということもありますが、その当時よく閲覧していた「Hyper Camp Creators」というブログの中で「冬の間は布団代わりに自宅で毎日使用」とあったのが、この製品を選択したきっかけでした。
久しぶりにブログを覗いたら更新が終わっていました…
寂しいですが、ありがとう&お疲れ様。
寝袋の使用感ですが、実際、ブログで紹介されているとおり、最初に寝てみたときは1つ目の寝袋と違って「布団ライクな寝心地」だとすごく感動したのを覚えています。
そのくらい綿が厚く、-15℃対応というのも伊達ではない暖かさ。
(もはや自宅で使用するには、完全にオーバースペック)
なお、実際に使用するに当たっては、真冬以外は屋内での通常使用では暑すぎるので、柏餅のようにジッパーを開けた状態で挟まって寝るのがオススメのスタイル。
Tシャツ・短パンで快適に寝れます。
また、注意点としては、ジッパーが生地を噛みやすいので、開け閉めする時には若干の慣れが必要になるかもしれません。
それ以外は、掛け布団と敷布団が一体化した、ほぼ布団。
寝袋生活のQOLが爆上がりする、実に完成度の高い製品です。
他に買ったアイテム
THERMAREST キャンプ 枕 コンプレッシブルピロー
「アウトドア目的ではないが、アウトドアでも使えるように」という謎の使命感から、枕もキャンプ用のものを購入して使っていました。
空気を入れるやつは管理が面倒くさそうなので、マットレス製造時に出るフォームの切れ端を使用して作ったというこの商品をチョイス。
洗濯機でもガンガン洗えて丈夫な良い製品かと思いますが、あえて普通の枕と比較するならば、横向きに寝る時にもう少し硬くて高さが欲しいというところです。
Soomloom 寝袋用マット
このマットは良いです。
蛇腹にして折りたためるのに、折り目から千切れてしまうようなこともなく丈夫。
私の家はクッションフロアのフローリングで夜になると冷えますが、下に敷くだけで冷気がかなり低減されます。
壊れてもきっとまた買うだろうという製品。
寝袋生活の感想
購入時には、まさか4年間も続けるとは思ってもいなかった寝袋生活。
周囲に話をすると完全に変人だと思われますが、案外どうにでもなるといいますか、車に例えるなら「軽自動車(商用車)」と「普通自動車(高級車)」では確かにラグジュアリー感は異なるものの、「走る」という基本的な機能は変わらないように、寝袋での睡眠も全く別物という感じはしませんでした。
あと、ニーズがあるかわかりませんが、これから寝袋生活を目指す方へ向けてメリットとデメリットを整理しておきます。
寝袋生活のメリット
部屋を広く使える
洗うことができる
寝返りで布団がはだけることがない
どこでも寝られるという謎の自信がつく
畳んでコンパクトになるのは布団の比ではなく、部屋は広く使うことができ掃除も楽になります。
あと、意外な副産物として、マミー型を使っていると自然と寝相が良くなってくるような気がしました。
災害時にも、そのまま持ち運べば同じ環境で寝られるという安心感があります。
寝袋生活のデメリット
部屋のインテリアに馴染まない
洗って干すのが大変
干している間の代替品がない
私は身につける物やインテリアでもモノトーンが好きなので、それとは対照的なアウトドア用品の派手な色使いがどうしても気になってしまいました。
また、洗える寝袋でも乾かすのが大変なので、代替品がなければクリーニングの頻度を増やせないです。
そういう意味では、ベッドや布団のようにシーツを洗濯できる方が良いとは思いました。
そして4年後
寝袋が大分くたびれてきて、子どものベッド選びに付き合っているうちに、自分も新しい寝具の購入を考えるタイミングかなと思うようになりました。
そこでYouTubeやnoteを見て、狭小物件にベッドとデスクだけ置いている人のスタイルが良いなと感じたり、あれやこれやと熟考。
結果、ミニマリスト御用達のアイリスオーヤマのエアリーマットレスを最近購入しました。
これについては別途レビューしようと思います。
まとめ
「結局、寝袋生活やめてるじゃん!」という声が聞こえてきそうですが、私が今回申し上げたかったのは、はじめに自分が考えていた以上に「寝袋で寝ていても意外と大丈夫だった」ということです。
また、この4年近くの寝袋生活を通じて、よく言われる「人生の3分の1は睡眠だから、高級寝具を買った方が良い」みたいな話も、一度疑ってみることは大事だなと思うことができました。
そのおかげで、新しい寝具を調達する時にも機能性を吟味したり、いたずらにスペックに踊らされることなく考えることができたと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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