見出し画像

なぜ鬼滅の刃が面白くてたまらないのか

世間でブームになっている「鬼滅の刃」
もれなく私もハマっています。

最初はamazonプライムで「最近よく聞くから観ておくか」程度の鑑賞。

普段、アニメをほとんど観ないから独特なテンションが馴染まず「うーん?どうかな」と思っていたはずが回が進むごとに目が離せなくなり、あっという間にアニメ公開分を全て鑑賞し、今は漫画も発売されているところは全て読みました。

アニメどころか漫画すらこんなにハマるのは珍しく、おそらく10年ぶりくらいに「これは!」となってます。

で、なんでこんなに良いのかなーってことを考えてたら色々と思うところがあったので、書き連ねたいなと思います。

鬼滅の刃に描かれる理不尽さは今を生きる私たちに通じるものがある

これはもう、ニュース1つでも
「なんでこんな罪のない人がこんな哀しい目に遭うの」とか、裁判の結果でも「こんなの正義じゃない」って思うことが山ほどあって、それは生活の中でも沢山で、人間というのは、そういう「理不尽」に時に抗って、時に流されながら生きてるわけです。

今で言えば鬼はコロナですよね。
突然やってきて無慈悲に命を奪い、理不尽な苦しみを与える存在です。

その中でどうにか今出来ることを、とにかく前へと動く前向きな人たちの姿勢は「鬼殺隊」ですね。

人は諦め希望をなくせば先にあるのは絶望だけだけど、直向きに進むことで変わるものは確かにある。

どんなに嘆いても、誰かに期待しても都合よく世界は変わらないから、腹括って自分のできる事をやるしかない

でも、悲しいかな希望を持って突き進んでも絶望は常に何度もやってくる。それでも折れず、進み続ける生き方を選ぶことはすごく尊いことなんです。

これはどんな問題であれ通じる事で、私が読むたびにこの作品から感じるメッセージです。

鬼滅の刃では、闘う相手は鬼。
主人公たちは生身の人間。

鬼は特別な刃で首を断たない限り、何度でも身体が再生して襲ってくる。対する人間は腕を落とされればそのまま、傷ついても簡単には回復できない圧倒的に弱い存在。
その圧倒的な力の差で作中、何度も何度も絶望を経験するわけです。
力の差だけでなく、強く頼もしかった仲間も命を落とし、そのたびに己の弱さに絶望しながら、抗って成長を繰り返す

その流れはジャンプの王道といえど、素直に感動するし、共感できます。

あと、よくレビューとかに書かれていることだけど鬼が切ない存在なのもまた素晴らしい。

絶望した果てに鬼となった元人間たち。
その生い立ちは、この世を恨んで当然といえるほど厳しいものもあり、倒されて消えかけるとき、彼らが人間の頃を思い出す姿が泣けるのです。ある人は両親を思い出し、ある人は初恋の人を思い出す。
彼らが人間として愛し愛されていた時間は確かにあり、けれど不幸が重なり、大切な人を失い孤独となり鬼と化した背景が語られるんですね。

そして、憎むべき鬼に対して同じ人間として向き合って諭す主人公の炭次郎に何度泣かされたことか。

一つ一つの言葉が優しいんです。
名言集に載せたいほど響く。

炭次郎に諭されて泣きながら消えていく鬼たちを見ると、子どもの頃を思い出します。
明らかに悪いことをしたけれど、意地を張ってしまい、もう逃げ場のない四面楚歌な状況に立ったとき。謝りたいのに素直に謝れない苦しさの絶頂のとき、責められると覚悟したら、不意打ちに優しい言葉をかけられて、号泣して「ごめんなさい〜」ってなるような、あの感じ。

強張ってた心が溶けるような、あの感覚を思い出すんですよね。

それに鬼という存在が結局のところ、人間社会の犠牲者であり、孤独ゆえに生まれた悪であるところも何とも考えさせられるのです。

鬼殺隊は家族や友人を鬼に惨殺され復讐のために鬼の討伐の道を進むけれど、鬼もまた人間社会への復讐心から鬼と化した存在であり、どちらも無情さに打ちひしがれた立場なんだよなぁと。
前者はそれでも立ち上がり前に進んだ存在、後者は腐り諦め堕ちる道を選んだ存在。

不幸を前にしたとき、どちらの立場をとるかは本人の心の強さは元より生い立ちや環境に大きく左右される。人間のネジが1つ飛んでしまうのは、本当はその人だけの問題ではない。
その人を生み育てた環境そのものに大きな原因があり、それは当事者でもコントロールできない刷り込まれた「負」である
事を、私は経験からよく知っている。

鬼滅の刃で描かれる鬼が社会が豊かで、人同士の繋がりがあったら生まれなかった鬼だと思うと、これはもう、現代社会の色んな問題に通じるなぁと思ったりします。

他にもキャラクターの生い立ちが一人一人ちゃんと丁寧に描かれていて、「このキャラクターらしい」描写がちゃんとされている上に、どのキャラクターも癖がありながら味があって、「全キャラクターが推し!」になる作品というところも本当に素晴らしいなと思います。

後藤さんとか悲鳴嶹さんとか、他の作品で見たら愛着湧かなかったであろうキャラ(ビジュアル的に)も大好きですもん、今。

本当に素晴らしい!
終わってほしくないけれど、長々と続いてこの熱が冷めていくのも寂しいなと思い、複雑な気持ちで次巻を待つこの頃です。

語ったらキリがないから普段あまり語れないのでブログにしたためましたw

何書くのも自由だもんね。笑

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?