ずっと習ってみたかったこと

ずっと習ってみたかったことが三つある。
ひとつ、居合道
ふたつ、かな書道
みっつ、チェロ
この春、始めてみようと決め、武道館の講座に申し込んだ居合道。
ずっとあきらめていたのに何故急に申し込む気になったのか自分でも分からない。
どうしてやろうと思ったんですか？と聞かれる。
ええと…十年位前、練習の様子をのぞいて見ていたらやってみたくなったんです。それに時代劇が好きなんです、鬼平犯科帳とか。時代小説も好きなんです、藤沢周平とか。
どの答えも何か足りない気がするけれど自分でもそれ以上、分からない。
相手もよく分からなそうな顔をして「ああ、刀剣女子というやつですね」とかいう。それは違う、と口の中で小さくつぶやく。刀には興味がない。それに女子というにはおばさん過ぎる。
でも、袴姿で刀を振って居合の形を決めている自分を想像してうっとりする。
何がレベルアップするのだろうか。強くなれるのだろうか。姿勢が良くなるのだろうか。筋力が付くだろうか。敵を倒せるようになるだろうか。
一番レベルアップするのは、１０年以上もやりたかったことを遂に始めてみることが出来たという、自分への自信だ。
かな書道は本をみて練習を始めた。
新しいことを始める春はとても楽しい。

#レベルアップしたいこと