蟻地獄砂時計

蟻地獄同士で声を潜めて伝え合う。おもてに出てはいけないよ。つかまって砂時計に入れられてしまうから。
そう、今、「蟻地獄砂時計」という砂時計が人気です。
そこには本物の蟻地獄が入っているのです。その砂時計は蟻にとっての地獄ではなく、蟻地獄にとっての地獄です。
ガラスの中の砂の中から二度と生きて出ることはできません。
こんな砂時計を作った人の前世は蟻でしょうか。仕返しでしょうか。
わたしにはわかりません。

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