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空中ブランコなんて無理だけど

高いところも無理
さかさまも無理
ブランコやジェットコースターのヒュンってするのも無理
だから空中ブランコなんて無理だけど
頭の中のどこかで誰かがブランコをこいでいる
たぶん空中ブランコを
中也の「サーカス」の詩に合わせて
ゆあーん、とか言いながら
こいでいる

誰かも向こうでこいでいる
ゆよーん、とか言いながら
こいでいる
こいでいるうちに酔っぱらって
みゅあ~ん
みゅよ~ん
みゅわ~ん
みゅう~ん

もう中也でも何でもない
お酒なんか飲めないくせに
酔っぱらっている
十六夜の光で酔っぱらっている
いろんなことがどうでもいい
もうどうでもいい

だれかに何かを手わたしたくて
わたさなくても手に触れたくて
ちょっとだけ触れて
そしてまた離れていく
みゅ~ん
にゅ~ん
また明日。


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