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どこにでも秘密の扉がある

O・ヘンリーの短編集が好きだった。
『緑の扉』という話はとくに好きだ。こんな話だった(はず)。
冒険好きの青年が、偶然手わたされたチラシに書かれていた「緑の扉」という謎の言葉を自分への挑戦と受け取り、「緑の扉」を探す夜の街の冒険に出る。
彼はついに緑の扉を見つけあてノックする。出てきたのは彼がずっと心の奥底で探し求めていた顔の娘で彼女は衰弱しきっていた。しかし彼女は人生の不運のため空腹で弱っていただけなので彼は食べ物を差し入れ介抱し(この食べ物がとてもおいしそうだった)彼女と親しくなる、そんな小さなハッピーエンドな物語だ。
彼は最後に気づく。その建物の彼女の部屋以外の扉もすべて緑色だったことに。

物語の主人公ではなくても私達の人生には、いつでもどこにでも「緑の扉」がある。これが緑の扉だと思ったそれをノックしさえすれば、そしてそこが開けば、その先には小さな冒険や幸運や運命の人が待っている。
不運があらわれることもあるかもしれなし、面倒にかかわることになるかもしれないし、そのせいで死んでしまうかもしれない。だから緑の扉だと思っても気づかないふりをする人もいるだろう。
扉をノックしなくてもたくさんの偶然の中に毎日は流れて行く。
でも自分でみつけた扉を開けてみたときだけ隠れている魔法のようなものに出会うことができる。そうだ、わたしはこの一年間ほどの間にせっせとあちこちのドアをノックした。
あなたは扉を探す毎日を過ごしていますか?
「緑の扉」をみつけましたか?
みつけた扉をノックしましたか?



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