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タンポポの綿毛のやうな昼の月

淡く白い昼の月は、飛び立つばかりに膨らんだタンポポの綿毛のようだ。
そんな透き通るような昼の月が好きだ。
そんなタンポポも好きだ。
この月のように丸く透き通った状態に名前はないのだろうか。
山村暮鳥の詩「風景 純銀モザイク」の、
いちめんのなのはないちめんのなのはないちめんのはのはな
…のえんえんのくりかえしにまぎれこむ、
「やめるはひるのつき」を思い出す。
中学生の頃にこの詩を知ったから
それいらい私にとって昼の月は病んでいる。
病んでいるものが好きだとちょっと病んでしまうかもしれない。
でも昼の月が好きだ。

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