雑草コンダクター
毎日、暑くても雨が降っても
庭仕事から一日が始まる。
以前の私は、仕事に疲れたり、自分がいっぱいいっぱいになると
海が見たい、と海の見える場所へ癒しを求めていた。
それが気が付くと、海が見たいと言わない自分がいた。
それは、庭のソーラーを撤去して、家族全員で庭の状態をゼロに戻したところから変わったようだ。自分でも全く気付いていなかったのだけど。
ただ、ぼーぼーに草が生えた広い庭を、一人でどうすることもできずにいた。私の本当の願望は、庭を一からやり直したい、だったようだ。
はえている木を抜く、草を抜く、土をひっくり返すことは、どこか「放置して来たけどもう限界」になっている部分の手術のような痛みがあった。
娘や息子たちは、容赦なく土をひっくり返していく。
延びまくった根っこも引っこ抜き、大きなレモングラスの株でさえも、絵本の「大きなカブ」さながら引っこ抜いて、別の場所に移動した。
私が、手に負えないとお手上げになりながらも、どこか大事にしていた雑草たちも、ひっくり返されてどこかへ姿を消した。
そのことにいちいち痛みを感じている私に、子どもたちは「お母さん、雑草は必ず生えくるから!いちいち落ち込まないでいいからね!」と励まして?くれながら、作業は進んでいった。
私は心の奥で、この日をずっと待っていたんだと気づいた。
子どもたちが、庭仕事という私のライフワークを再び与えてくれた。
そしてもうひとつ、家族での庭仕事が始まったころから家に来た子犬が庭仕事を一層楽しいものにしてくれた。
このわんこは、長女と次女が連れて来てくれた。
ペットショップでどんどん大きくなってしまって、諦めた感じの優しい子犬と目が合ってしまったそうだ。それで二人は悩んで悩んで、安くなった子犬をお小遣いで買って連れて帰って来た。
私の毎日は、庭に出て、彼に大歓迎されて始まる。
草を抜いている私の鼻先に顔を近づけてくる、ヨガをしている私の後ろにちんと座る、水をまいていても箒で落ち葉をはいていても飛んできて遊ぼうと誘う。
そんな毎朝のルーティンが始まってからというもの、海を見たい、とため息交じりに思うことがなくなった。
そんなにも私は庭仕事がしたかったんだ。
庭にいることが望みだったんだ。
そう気づかせてくれた子どもたちに、本当に感謝☆
💗
私の庭づくりのテーマを考えていた。
雑草のかわいい花が大好きなこと。
でも自然に任せてしまうと、単なるほったらかしのぼうぼうの庭になること。
だけど、完全に管理されたきれいに草が抜かれて、植えた花や木だけがある庭にはしたくないこと。
一見自然に見える英国風のような感じも違う、庭が美しいお寺の感じも違う。
じゃあ、どんな???
本当に難しいのだけど、自然に生えてくる野花との調和。
虫も草も友達。自然はすべてつながっている感覚を大事に。
自分に都合の良い植物だけを残すのも、なんか違う。
まずは観察から始めようと思った。
そして、自然の中に、私が好きな花たちも入れてもらって、美しく調和してほしいと思う。
我が家に今咲いている草花たちを紹介します。
私は庭仕事が好きじゃないと思い込んでいた。
それは多分、両親ともに、日本庭園風の庭で草抜きを一生懸命にしているのを見て来たから。
わたしが大好きな野の花たちを、根こそぎ抜くことが庭仕事だと、なんか思い込んでいたのかもしれない。
だから庭仕事は雑草の敵=私の敵、だったのかな(笑)
ぴょんぴょん伸びて来て、どんどん大きくなっていく前に刈ってしまうか抜いていしまわないと、庭はだんだん手に負えなくなるのは確か。
ただ、この、上に載せたかわいい草花たちを見ることもできなくなる。
背が高くなった先にかわいい花を咲かせる草もいます。
そんな草たちは、花を見ることなく抜いてしまうことになる。
私は、どんな花を咲かせる草なのかを知りたい!と思うから、ひとまずこの一年は、観察しようと決めた。
花壇の中でも、私が植えた花だけを咲かせるのではなく、雑草たちと調和させながら、私が好きな庭にしていこうと思う。
今は背の高い草たちも、場所を決めて、伸び伸びとさせていて、どの葉っぱがどんな花を咲かせるのか、どの草を放置すると庭が荒れ地に見えるのか、それをどうすれば、いい感じに共存できるのかを考えていきたい。
今、雑草とも言える草花を庭のあちこちに点在させて育てている。
それらとハーブと、そして鳥たちが運んできて、毎年違う顔ぶれが出てくる雑草。そのハーモニーを指揮するのが私の役割だなと思っている。
そうやって草花の様子を見ながら、木陰を作るための木を植えたりして、庭づくりを進めていくつもり。
今は見ての通り、ボーボーにしか見えないような庭。
先々は、どこにもない、私らしい庭になって行くといいなと思っている。
そして、この庭づくりが、「何か」を生み出していくようなそんな予感もあるのです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?