TOKYO MER 第5話レビュー これぞ音羽回!クールで熱いキャラが秀逸の賀来賢人さん。キャスティングの妙。

遅ればせながら、5話のレビュー。書きたいものがたまってきているので、手短にいこうとおもいます。といいつつ、いつも長くなる(笑)

第5話の見所は、音羽先生の苦悶と選択。知られざる音羽の素顔。そして最後あたりの音羽先生と喜多見チーフの抱擁ですね(笑)。いや、あれはある意味衝撃だった・・・。

毎回スケールの大きさで驚かせてくれる、TOKYO MER。

しかし贅沢なことに見慣れてきてしまいまいました。視聴者の中にもそろそろ「突っ込みドラマ」というレッテルを張る人も増えてきたような気が。お腹いっぱいになるって恐ろしい。このドラマのそういうところ、悪くないです。

今回は、故障したエレベーターの中に、今にも出産しそうな妊婦さんと、喜多見の妹・涼香、そして悪徳代議士の天沼幹事長、そして音羽先生が乗り合わせます。酸素不足の中、切迫早産の妊婦さんのお産が始まり、親子の命が危険にさらされるというこれでもか展開です。

今回はどのようにMERが出動するのか?

なんと、音羽先生に全てが託されるというわけです。そして、政治がらみ。本来ならばMERをつぶせなどと国からも命令されている、官僚の音羽先生の選択が問われます。

しかし、病院のエレベーターがあのように故障してはいけません。ましてや、ほこりがたまっていてそこに火がつくなどと、あってはならない人災です。メンテナンスが行き届いていないにもほどがある。まるでドッキリのような展開につい突っ込みを入れてしまう自分がいます。そこが、TOKYO MERの好きなところなんだけど。いやしかし・・・エレベーターって怖いな。もしそんなことが実際に起こったら。密室ゆえの怖さを感じます。

その怖さが、つり橋効果ならぬ「密室エレベーター効果」をうむのです。涼香と音羽の出会いは、「最っ低」でした。最初は仮病の天沼幹事長を妊婦さんより優先する官僚・音羽でしたが、皮一枚の下は熱い心を隠した医者だったのです。妊婦の様態の急変に、とっさにMERを呼びます。周囲の誰も出動要請に疑問を抱いていました(喜多見以外は)。天沼幹事長も言いくるめる音羽の狡猾かつ、医師としても有能な判断力でした。

エレベーターの地下で火災が起こり、煙に巻かれながらの処置。音羽は涼香に、イヤホンマイクを拾って、喜多見チーフに臍帯脱出と伝えてほしいと頼みます。マイクを探すことができない涼香は、とっさに手話で喜多見に伝えますが、そのドキドキハラハラ演出など、非常に細かいです。5分に一回くらいは万事休すというハプニングが起こるドラマ。ドラマはエンターテイメントだなあと感じさせます。

「あなたは、医者ですから」とまるで音羽を試すように判断を仰ぐ喜多見チーフ。官僚という身分を捨ててまで(そこは現実的ではないところ)妊婦と赤ちゃんのオペを優先する判断をした音羽先生は本当にかっこよかった。

酸素不足でオペ中に意識を失う音羽先生を助けに現れる喜多見チーフ、かっこよかったですね。これでもか、というクサい登場シーンなのですが(鈴木亮平ファンなので、ありがとうございますとしか言えん)。第一話で喜多見チーフを助けにくる音羽先生、という2人だけの目に見えない絆も感じさせる、いい伏線回収になっています。

天沼先生をいい気分で巻き込んでいく笑顔の喜多見チーフ。緊迫しているからこその明るさが安心感につながります。私もまるで患者気分です。よかった、助かった・・・と安堵し喜多見先生の美声に聞きほれながら、笑顔にときめいています。

エレベーターの中、火災の発生で酸素不足になりながらの緊迫したオペとはいえ、いつもは冷静に最善の判断をする音羽先生。「生きろ。生きてくれ!」と今回に限ってとても感情的で必死に見えたのはなぜか、その答えが最後に隠されていました。

最善を尽くしたが、赤ちゃんの心音が聞こえない。万事休すという中でエレベーターが空き、MERチームが現れました。今回は出番の少ない、MERチームでしたが、その間は何をしていたかというと、イヤホンマイクでしっかりと状況を聞きながら、想定外も含めた綿密な準備をしていたわけです。産科担当医も驚くほどに。

あのとき、エレベーターがあいていなかったら、赤ちゃんは助かっていなかったかもしれません。もう、この人たちは・・・!と安堵感と絶対的な信頼で胸があつくなる瞬間でした。

酸素不足の中の過酷なオペに耐えて、しっかりと患者を見送ってから倒れこむ音羽先生は、まさに完璧なお医者さん。そんな音羽先生をずっと見守ってきた人は、その変化を見逃しませんでした。倒れる音羽先生を両腕でがしっと支え、まるで抱擁のようになったあのシーン。喜多見チーフの慈悲深い表情は、まるで仏様のようでした。そしてあの瞬間、ツイッターを見ていた私にはタイムラインに流れてきましたよ。Love So Sweetが・・・笑

今回は、音羽の賀来賢人さんの演技力に見入ってしまいました。静の中に動を感じさせる、熱い気持ちをたぎらせるという演技、しかも表情ひとつでというのが素晴らしいです。顔の造詣の美しさだけでなく、オーラをまとうのもうまい俳優さんです。クールな人を演じさせたら天下一品。普段はあんなに面白いのに、そこがギャップなんですよね。コメディが印象的な俳優さんですが、私も始めて俳優さんとして知ったのはクールなキャラ(花子とアンの兄やん役)だったので、やっぱりいいなあ、もっとこういう賀来賢人さんを見たいと思ってしまいます。喜多見を鈴木亮平さんに、というのは納得もいきますが、音羽を賀来賢人さんに、というキャスティングは誰が当てたのでしょうか。天才です。

また、天沼幹事長演じる桂文珍さんの悪徳な演技と、涼香役の佐藤栞里ちゃんの演技も光りました。文珍さんは、TOKYO MERのファンということで、撮影現場を楽しまれたかなと思い視聴者としても嬉しくなりました。栞里ちゃんも、「誰の妹だとおもっているんですか」というせりふ、妊婦が救出されたときの涙など、素晴らしい演技力。演技は初めてということですが、これからは女優さんとしても引っ張りだこになるのではと思ってしまいます。

音羽に関して悪いうわさを散々聞かされ、「最っ低」な出会いをしてしまった涼香ちゃん。音羽先生のあんなに一生懸命がんばる姿、救出された親子へ自分の亡くした母への愛情も重ね、「国の制度を利用してください」と高い志で訴える姿、見てしまったらやばいですね。ああ、涼香ちゃん音羽っち好きになっちゃったよね・・・と視聴者にはバレバレ。でもあんなに応援したくなるカップル、他にいるでしょうか!恋愛ターン、大歓迎です!

音羽も、ツンデレ発言をしていますが、涼香のエレベーターでの凜とした姿、自分よりも他の人を優先してしまうほどに強い愛を秘めた姿にはぐっと来たのでは。お母さんを早く亡くした音羽にとっては、母性も持ち合わせた涼香ちゃんはぴったりですね。今後の2人の展開もほんとに楽しみです。





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