見出し画像

【専門家に聞いてみた】被害に遭ったときにするべき対処、「証拠保全」と「アフターピル」について

今私たちが生きるこの日本社会では、およそ10人に1人の割合でレイプの被害に遭ったことがある、というデータが存在します(※1)。"性的同意"という考え方もまだまだ認知が十分とは言えない現状で、性別に問わず誰もが性暴力の被害を受けてしまう可能性があるのです。

さらに実際に被害に遭ってしまった場合にどうするべきなのか、知る機会も非常に限られています。自分が被害に遭うだけでなく、周りの誰かがその知識を必要とする瞬間がいつ訪れるかわかりません。

そこで前回の記事では、専門家のお話を元に、被害にあってしまったときに頼れる機関をご紹介しました。

ポイントをおさらいすると、以下の通り。

1. まずは身の安全を確保する
2. すべての都道府県にあるワンストップ支援センターに電話する
(もしくはそのまま警察に駆け込む/各都道府県警察の性犯罪被害相談電話窓口#8103に電話する)
3. ワンストップ支援センターが紹介してくれる産婦人科を受診。
レイプの場合は証拠保全アフターピルの処方をしてもらう
4. 精神科や産婦人科の病院やクリニック、学校のスクールカウンセラーや養護教諭(保健室の先生)に相談することも可能

今回はその中でもとくに証拠保全とアフターピルについて、さらに詳しく見ていきたいと思います。

今回はmimosas専門家チームの、弁護士の川本先生のお話を伺いました。

証拠保全について

被害の証拠は、後々に裁判を起こそうと思ったときに、とても大切になってきます。

性暴力は、心と身体の両方に大きな傷を残すもの。「着ていた服を捨ててしまいたい」「シャワーを浴びて身体を洗いたい」と感じる方も多いでしょう。

もしくは性暴力の被害の直後に、裁判を起こす決意が固まるとは限りません。また加害者が知り合いの場合も多くあるので、被害者が声をあげるのに時間がかかることは、よくあることなのです。

しかし、たとえ今すぐ裁判を起こすつもりがなかったとしても、どうかできる限り証拠保全に努めてください。ワンストップ支援センターに相談し、紹介された産婦人科で受診をすることで、証拠を残すことができるそうです。

もし警察官かセンターの支援員が聞き取りをして、病院に連れて行ってくれた場合、病院では
▼口腔・肛門性交があったか
▼射精されたか
▼射精の場所はどこか
▼加害者の唾液がついた可能性のあるところはあるか

など、 ケースに応じて証拠採取キットに証拠を採取します。 

とはいえ、レイプなどの被害にあったときは、ただでさえ大きな恐怖と混乱で、冷静に判断はとても難しいのも事実。

むしろできないのが普通ですから、その場合でも自分を責めず、シャワーを浴びない、服は捨てないなど、そのときにできるベストの証拠保全をしてください。ワンストップ支援センターに電話で状況を話せば、その段階でどのような証拠を保全したらいいかをアドバイスしてくれます。 

また川本先生によれば、事件から近い日に警察に相談することで「被害者の意思に反する性交だったのだろう」と認定されることもあるそうです。物証を捨ててしまったときでも諦めないでください。

アフターピルについて

次に、アフターピルについて説明していきます。こちらは妊娠の危険性がある方を対象とした情報になります。

もしもレイプの被害に遭ってしまった場合は、射精の有無は問わず、できるだけ速やかにアフターピルを処方してもらうことが大切。

アフターピルとは緊急避妊薬とも呼ばれ、性行為のあと72時間以内に摂取すると、約80%の確率で妊娠を防ぐことができる薬です。性交後の時間が短ければ短いほど避妊成功率は高くなるため、なるべく早く飲むことが重要となります。

アフターピルは72時間以内に飲むことが必要なため、
ワンストップ支援センターは365日24時間対応することが理想です。
ただ、このような対応をすることができるセンターばかりではないので、
まずは、地域のセンターが365日24時間対応なのかをチェックしておくとよいでしょう。

もしセンターが閉まっている時間に被害に遭った場合は、迷わず「警察に行こう」と決めることができるからです。

もちろん性被害に限らず、アフターピルが必要になるケースは多くあります。異性間でセックスをする人にとっては、避妊に失敗してしまうことはいつでも起こりうること。望まない妊娠を防ぐためにも、アフターピルの存在はすべての人に知っておいてほしいと思います。

以上、もし性暴力の被害に遭ってしまったときに大切な「証拠保全」と「アフターピル」についてお伝えしました。

この記事でご紹介したことが、あなたやあなたの大切な人の安全に、少しでも役に立ちますように。


*********************

mimosasでは専門家を交えて、「必要な正しい情報」を発信しています。もし「この情報が知りたい!」と感じたら、mimosasにメッセージをください。

▶︎公式WEBサイト: https://mimosas.jp/ 
▶︎ Instagram: https://www.instagram.com/mimosas_jp
▶︎ Twitter: https://twitter.com/mimosas_jp

1人でも多くの方に必要な情報が届くために、いいねやコメント、シェアをお待ちしています。

【引用文献】
※1平成29年犯罪白書


*********************
2021/4/29
私たちはnoteでの投稿をやめ、Mediumに移行しました。
mimosasの記事は medium.com/mimosasjp でフォローお願いします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?