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生き方を、仕切り直した。


人生80年(もっとか?)時代の折り返しになりました。だからではないけど、覚えておきたい大きな心の変化をつらつら。

これまでに、いま人生を仕切り直したぞ!と実感したことが2回あります。

まず、結婚して苗字が変わった時。次に夫の海外赴任について行った時。どちらも、引っ越しを機に暮らし方やルーティーン、ふだん出会う人の顔ぶれなどの物理的なことに+して、それまでの考え方を変えたな、と思います。

まず、結婚して感じたのは「やった!新しい名前をもらった!滅多に変えられない新しい名前を手に入れたぞ!」という高揚感でした。

結婚後は会社や地域の場では名字で呼ばれることがほとんどなので、誰も旧姓で私を呼ぶことなんてない。なんなら、旧姓が何だったか、なんて誰も興味ない。

でも私にとっては長年使ってきた「名前」は自分の一部であり、私の存在を証明するツールだったし好きだったから、旧姓と同時に自分を失った気もしていました。でもふと、

「あれれ?自分が消えたのではなく、アップデートした感じかなこれ。」

と感じた瞬間「やったー!」に変わったのです。

関西→関東に引っ越しをしたので、土地勘もなければ誰も知り合いもいない。でも、逆に誰にも知られていないんだ私!というワクワク感があったのです。目には映るけど見えていないような、景色にとけて空気のように透明になっている・・・そんな魔法にかかっている気さえしていました。

なんでもポジティブ思考!というのは圧が強すぎて受け付けないタイプなのですが、誰にも知られていないということは、これからどんなキャラであっても良い、また違う「自分」スタート&お試しができる!という自由があります。

それは、家族でフランスに行った時もそう。

日本人なのか、中国人なのか、韓国?台湾?モンゴル?なんてまったく興味なく「アジア人」として扱われるので、人生初の外国人を体験してきました。

国をでれば外国人。当たり前のようですが、旅行しているのとは違い生活するとなると、やれ大使館だ領事館だ、役所だ学校だ・・・と、自分を証明するものの他に、確かに暮らしていることを証明するもの(過去数カ月の光熱費の領収書など)、誰がそれを保証しているのかという証明(赴任先のトップにサインがあるもの)までが必要になりました。

そのどれかが不足していても、私というアジアから来た人間は、フランスで生きることを認めてもらえないのです。外国人、初めてなったな~と。

だんだんフランスでの生活が整うにつれ、今度は日本で暮らしたこれまでの日々が一旦、白紙に戻りました。

これまではニュースも文化や方言も含めて、47都道府県それぞれを区別して観ていたはずなのに、いきなり「日本」というくくりで母国を観るようになっていったのです。もう、そこには自分の居場所がないんだと感じていたのかもしれません。

数年後は赴任期間を終えて、また新しい暮らしを整えていかなくては。何より、仕事を探さなくては。もう若くないのに何ができるだろう、子供がいてどのくらい働けるだろう、フルタイムになれなかったらいくら稼げるだろう・・・と、帰国してみなければ決められないことばかりに頭がいっぱいになっていた時期がありました。

そんな日々の中で、ある日の友達と話していてこれまで日本で何をしていたかの話になり、19歳から輸入家具のアルバイトを始めてそのまま12年、結婚後もイギリスの家具やキッチンを作っていたと話すと、それならパリに行くべき!ここでしかできないこと、見れないモノ、やってから帰らなきゃ!と言われました。家の中でパソコン見てる時間があったら、外にでなさい、と。

ほんとにそう。この言葉に出会ってよかった。後悔しないようにしたかったら、優先順位変えなきゃ。見えない未来の不安でなく、目の前の優先すべきことに目が向けられるようになりました。

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そこからはもう毎週、家具通りのブティックをチェックしたり、通りがかりではなく、Googleやレストランガイドや地方紙の広告の写真や名前を検索してどんなインテイリアの店なのかを下調べして足を運び、デコレーションは誰がしているの?どこの建築事務所?など聞いたりしていました。アンティーク家具が並ぶ蚤の市や、世界的なインテリアの見本市パリのMaison et Objetにも行くことができました。

相手に私は何者か?を知ってもらうために名刺を作り、自分はこんなことに興味があります、ということを裏に印刷して配りました。

今、私は何者でもありません。手掛けているプロジェクトもありません。クライアントもいなければ事務所もありません。でも、きっとこれから何者、かになります!だから繋がりましょう!!!!

という、背伸びしまくり、はったりかましまくりの日々でしたが、たのしかったなあ。。。拙いフランス語なので相手の方が気を使って、英語にしようか?と言ってくれて、それでも拙い英語でしたが、ハッパかけてくれる友達や、それがフランス流よ、とサラリ受け流す友達、日本にコネクションや事務所があるインテリアショップを教えてくれた人もいました。

自分の目標を発信することで、少しだけ先の道を作っていける。それを聞いた人から新しい情報が入ってくる。その先に、自分の夢が実現する・・・と。有言実行、夢は見るものでは無く叶えるもの、という言葉はそういうシステムなんですね。最初の一歩を踏み出さたら、歯車が回りだす。

あとは、タイミング。タイミングが訪れるまでは下準備や情報収集。積み重ねたいろんなことが絡み合って、少し先の道が枝分かれしている。

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また新しい暮らしを整えていかなくては。→まっさらで始められる!カーテン、照明、家具、また選ぶ楽しみができた。蚤の市でテーブル買った♡

もう若くないのに何ができるだろう→フランスで出会った80過ぎた紳士淑女の皆様、とびきりオシャレ!スタイルや老いに引け目感じる必要無し。

子供がいてどのくらい働けるだろう→家族との時間と仕事のバランス、もっと改善できるはず。通勤時間に1時間もかける生活は選択外!

実は今、一度は白紙になったはずの繋がりが復活して、パズルのピースが合っていくように夢のカタチが視覚化されています。私の頭の中だけで創られていたものが形になってきました。

フリーランス、始めました。こどもがわくわくするようなキッチン道具のデザインをしています。Web公開にはまだ少し作業が残っています。

Work in Daily Life

おままごとの先にある、創造の世界をキッチンから始めてみませんか。

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